映画『ニューヨーク1997』

ふと

映画の話

今から数十年も前の頃

僕が中学、高校に通っていた

1980年代といえば

何より

スピルバーグとルーカスが

彼らの影響下にあった監督たちも含めて

映画界の中心に位置づけられていたのですが

他にもこの頃

存在感を示していたクリエイターは

もちろん数多くいたわけでして

すぐさま思い浮かぶところでは

僕の中では

なんと言いましても

アメリカのデヴィッド・リンチと

カナダのデヴィッド・クローネンバーグが

双璧を成していたように思います

この2人の

スタイルは違えど

他の追随を許さない

特異でアブノーマルな世界観は

少年だった僕には

ちょっと刺激的すぎましたが

魅了されずにはいられませんでしたね

他にも

たとえば

『マッドマックス』シリーズの

オーストラリアのジョージ・ミラーや

『ロボコップ』などで知られる

オランダのヘンタイ監督

ポール・バーホーベン

今ではすっかり巨匠となってしまった

イギリス出身のリドリー・スコットも

後年の大作志向ではなく

初期は

『エイリアン』や『ブレードランナー』など

ビジュアル重視のアートな作品を創っていましたね

あるいはもちろんイタリア系の

スコセッシ、デ・パルマ、コッポラなども

各々、独自の美学に貫かれた作品で

気を吐いていましたね

おっと

忘れてはいけない

ジェームズ・キャメロンが

後の映画界最強コンテンツのひとつとなる

『ターミネーター』を発表したのも

この頃でしたね

前置きが長くなりましたが

あらためて

もうひとり

80年代に活躍したクリエイターで

この人を外すわけにはいきませんね

B級映画の巨匠として名高い

アメリカのジョン・カーペンター(1948-)です

↓↓↓

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ということで

本日ご紹介の映画です

カーペンターの代表作のひとつ

1981年のアメリカ映画

『ニューヨーク1997』

↓↓↓

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1997

ニューヨークのマンハッタン島は

町全体を高い塀で取り囲み

巨大監獄に改造し

多くの囚人が収容されていた

そこにハイジャックされた大統領専用機が墜落し

大統領はギャングに捕らえられる

政府は強盗の罪で収監予定だった特殊部隊出身のスネークに

大統領救出を命令する

残された時間は24時間

スネークは大統領救出と

核融合に関する重要機密であるカセットテープ奪還の密命を帯びて

監獄となったニューヨークへと単身潜入する…

↓↓↓

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う〜ん

昔TVでよく放映されていて

面白かったなぁ

って

今観ても

強烈な懐かしさを覚えるのですが

おっと

実際のところ

正直

アクションシーンも少々物足りなくて

最近のCGを活用した映像に比べると

テンポも遅く

ちょっと迫力に欠けるといいますか

チープな印象を否めません

…が

いやいや

なんのなんの

映画の面白さは

費用の多寡にあらずです

↓↓↓

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CGでは決して作り出せない

このアナログ感

ミニチュア・セットによる撮影など

低予算ながら創意工夫を凝らした

手作り感満載のB級的世界観

物語における

特にはシチュエーションの面白さ

荒廃したニューヨークを徘徊する

パンクな囚人たちなど

キャラ設定の妙

↓↓↓

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カート・ラッセルのニヒルなアウトローぶり

↓↓↓

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などなど

いやあ

もう最高です

無法地帯と化したニューヨークの雑然に漂う

映画的ロマン

↓↓↓

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これは言い換えれば

カーペンターの

クリエイティブな映画愛

とでもいいましょうか

そうした熱を帯びた

創造的なムードが

全編そこかしこに溢れかえっているのです

↓↓↓

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本作は

なかなか渋い脇役陣も見所でして

ハリー・ディーン・スタントンや

↓↓↓

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リー・ヴァン・クリーフ

↓↓↓

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アーネスト・ボーグナイン

↓↓↓

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など

曲者役者たちが

皆、味わい深いんですよね

いやあ

なんだかんだ

いまだに

ワクワクしっぱなしの僕がいます

というわけで

『ニューヨーク1997』

カーペンターのクリエイター魂が炸裂した

まさに面白い映画の見本

今更ながら

これは必見です

↓↓↓

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おまけ

カーペンターの映画は

他にも傑作がいっぱいありますが

1980年代に製作されたこれらの作品は

是非オススメですね

◎『遊星からの物体X』(1982)

↓↓↓

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もはや伝説となったSFホラーの傑作

◎『ゴースト・ハンターズ』(1986)

↓↓↓

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冒険活劇の隠れた傑作

◎『ゼイリブ』(1988)

↓↓↓

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これまた知る人ぞ知るカルトな一作

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