映画『ワイルド・アット・ハート』

1990年のアメリカ映画

デヴィッド・リンチ監督の

『ワイルド・アット・ハート』

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いやあ

もうかれこれ

今から30年も前になるんですね

昔の話を少々

1990年当時

僕は新宿に住んでいました

といっても病院の中でしたが

20歳のときでして

僕は突然、病気を患いました

詳述は避けますが

なかなか厄介な病気でして

入退院を繰り返し

結果、大学を一年留年したほどです

まあ最終的に地元の病院から東京の大学病院へと移り

そこで入院生活を送りながら

副作用のリスクを伴う薬を大量投与するなどして

治療に励み

苦労の甲斐あって

少しずつ快方に向かっていきました

そうして数ヶ月が経過し数値の方も安定し

いよいよ退院する見通しが立ったある日

先生の勧めで僕は外出許可をもらい

つかの間

外の世界に触れる機会を得ました

久しぶりの外出

寒い冬だったこともあって

風邪を引かないよう完全防寒服で身を固め

ひとり新宿の街をさまよい歩きました

体力の低下もあって足どりは重く

されど久々に味わうシャバで

心は軽くうきうきと

えもいわれぬ開放感に包まれていた僕は

ふと

そうだ

映画でも観よう

と突然思いたち

その日、歌舞伎町界隈で上映していた映画を

飛び込みで観たわけです

それがこの

『ワイルド・アット・ハート』でした

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って

う〜ん

いきなりのリンチは

いま思うと無謀でしたね

始まってわずか5

映画のブッ飛びぶりに

たちまち

身体がじっとりと汗ばんでくるの覚えました

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映画は

ワイルドな蛇革ジャケットで決めた

ニコラス・ケイジと

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絶叫しまくる顔芸がひたすらにエロい

ローラ・ダーンが

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狂気の母親から逃れて

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愛の逃避行を繰り返すお話で

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ビザールと疾走感がコンデンスした

あくまで50年代のアメリカン・テイストで

う〜ん

もろリンチ・ワールド炸裂の一本でしたね

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ダークサイドへの抗いがたい誘惑

魔性の女

イザベラ・ロッセリーニをはじめ

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登場人物が

とにかく皆ヤバい

中でも極めつけは

ウェスタン・レザーの危険な男

ボビー・ペルーを演じたウィレム・デフォー

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伝説のシーン

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ハハハ

映画史に残る怪演です

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あの薄気味悪いドアップの顔が

映画館のスクリーンいっぱいに映し出されたときは

マジで病気がぶり返しそうになりましたね

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そしてラストは

もはや何でもござれ

『ツインピークス』のローラ・パーマー役でおなじみの彼女が

魔女となって登場

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そんなこんな

観ている間中

怒涛のように押し寄せる刺激と興奮で

絶えず脳を揺さぶられ

緊張を強いられるせいで

身体に妙な力が入って

なんだかホントにおかしくなりそうで

ホトホト

映画の持つ強度

底知れぬパワーを前に

観終わった後

グッタリ疲れたのを覚えています

あの時の僕に

この映画は正直きつかった

こたえた体を引きずるようにして

映画館を後にし

まるで敗残者のように

トボトボと病院へと帰っていきました

疾走できない自分自身とのギャップを埋められないまま

しかし僕の目はギラついていました

自分は決して負け犬なんかじゃないと

これからが本当の勝負だ

こうして

21歳の冬

僕は退院しました

あらためて

本作をいま観ても

30年前のあの時の記憶、空気感が

リアルな肌触りとともに蘇ってきます

つくづく魔力だな

というわけで

『ワイルド・アット・ハート』は

30年経った今でも

僕の中で

時折忘れそうになる闘争本能を

にわかに呼び覚ましてくれる

強力なカンフル剤なのです

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