映画『明日に向って撃て!』

何を今さら
って
いやあ
何度観ても
いいものはいいですね
1969年のアメリカ映画
『明日に向って撃て!』
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監督は名匠
ジョージ・ロイ・ヒル(1921-2002)
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主演はご存じ
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード
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本作は実在のアウトロー
ブッチとサンダンスの逃避行を描いた西部劇で
言わずと知れた
アメリカン・ニューシネマを代表する一本です
…
西部開拓時代のアメリカ
19世紀末から20世紀初頭にかけて暗躍したお尋ね者
ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド
彼ら一味は
列車の襲撃や銀行強盗を繰り返し
悪名を轟かせていたが
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刺客の執拗な追撃に遭いながら
どうにか逃亡を重ねていく…
劇中の
年老いた保安官の言葉
「…もう手遅れだな
お前らは長生きしすぎたのさ
名前は売れてるかもしれんが
ケチな悪党に変わりはねえ
お前(=ブッチ)は愛想がいいし
キッドは早撃ちだ
でもお上に追われてる悪党なんだよ
もうお前らの時代は終わったのさ
どうあがいてみても
血まみれになって死ぬんだ…」
やがて2人は
サンダンスの恋人エッタを伴い
追手を逃れて
南米ボリビアへと逃亡
そして…
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西部の雄大なる大自然
果てしなく拡がる平原を
馬が疾走する
近代化へと進む転換期
そうした時代の波についていけず
次第に取り残されていく悪党2人
映画のトーンは
どこか哀愁の漂う
ある種
悲観的なムードをはらむ一方で
そうした空気感と相反するような
突き抜けた自由奔放さを終始まとっていて
まさにシリアスとユーモアが
奇妙に融合した世界観を宿しています
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何より
大らかで楽観的な空気を体現する
ニューマンとレッドフォードが
もう抜群の相性で
2人が画面に収まると
着たきりスズメのむさ苦しい風貌でも
不思議と爽やかなムードに包まれて
ピタリと画になるんですよね
多分にアドリブも入っているであろう
2人のやりとりも絶妙で
いやあ
まさに足し算ではなく掛け算の輝きを放つ
名コンビぶりを発揮しています
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また
「雨にぬれても」の曲調に合わせて
ニューマンとキャサリン・ロスが
自転車に乗って戯れるシーン
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漂う詩情
穏やかな音楽
優しいムード
いやあ
素敵なシーンですね
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ポール・ニューマンの
陽気で
屈託のない笑顔
機転の利く
ウィットとユーモア
溢れる人間味
ガラス玉のように透き通った青い眼
いつも
どこか遠くを見ているような
悠然とした風情があります
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対する
レッドフォードの
ニヒルで切れ味鋭いムード
射撃の名手ぶり
クールな佇まい
でも時折
砕けた一面を垣間見せます
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つくづく
崖っぷちを
生きる二人
死と隣り合わせゆえに
輝く生
男たちが
死の間際の
刹那に見せる生き様の
なんとまあ
魅力的なことでしょうか
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セピア調の写真が物語る
西部開拓時代のアメリカの神話性
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クラシカルな衣装
鞄や帽子などの持ち物
調度品、建物
ノスタルジックな風情
豊かなひととき
未開拓のボリビアの自然の美しいこと
しかしこの地でも
2人は行き当たりばったり
銀行強盗を繰り返す他ない無軌道な行動で
やがてエッタも去り
映画のトーンは
終盤からラストに向けて
一気に悲壮感を帯びていきます
警官隊に取り囲まれ
追い詰められる2人
突如訪れる
最期のとき
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この期に及んでもなお
夢を語り冗談を飛ばす2人
程なくしておもむろに
包囲された警官隊の中に飛び出していく…
ストップモーションで捉え
セピア調に刻印される鮮烈なラスト
ピアノの音色が奏でる哀調
漂う虚無感…
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男たちが見せた最期の姿が
余韻となって
いつまでも脳裏を離れません
本作は
製作当時のアメリカ社会を覆っていた
反体制の機運に呼応する
自由な空気に満ちた
まさに
アメリカン・ニューシネマの傑作ですね
というわけで
『明日に向って撃て!』
いやあ
今更ながら
もう最高です
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