肥満遺伝子の話
先日TVで興味深い話を聞きました
肥満遺伝子についてです
倹約遺伝子とも呼称されるこの遺伝子は
「使うエネルギーを最小にし、余ったエネルギーは最大限に蓄える」
「飢餓に備えてエネルギーを節約し、脂肪を蓄える」
という遺伝子で
太古の時代の氷河期より
過酷な飢餓環境に順応すべく
摂取したエネルギーを少しでも脂肪として蓄えようとする体質(=基礎代謝量低下)
を獲得したと考えられています
まあつまりは
太りやすい体質だということですね
ちなみに民族的には
この肥満遺伝子を最も多く保有している民族が
①イヌイット
②ピマ・インディアン
③日本人
の順だそうです
(③の日本人というのは、おそらく縄文人を指すのかと思われますが…)
これらの民族は
最後の氷河期(7万年前~1万年前のウルム氷河期)に
ユーラシア大陸からベーリング海峡、日本海を渡って
アメリカ大陸、日本列島に渡ったモンゴロイドのことだそうです
へぇ〜
さらに
約3万2000種類ある人間の全遺伝子のうち
肥満遺伝子は
現在50種類以上発見されていて
その中から
日本人も多く持っていると言われる
主には
「りんご型(β3AR)」
「洋なし型(UCP1)」
「バナナ型(β2AR)」の
3種類の肥満遺伝子に分類される、と
ちなみに僕は
どうやら洋なし型っぽいですね
特徴としてフライや油っぽいものを好み
脂肪の代謝が苦手で
皮下脂肪がつきやすいんだそうです
くぅ…
と
ここからが面白いのですが
上記②のピマ・インディアンについての話です
以下、サイトより転載
ピマ・インディアンは
アジアからアメリカ大陸にわたり、二手に分かれて
1つのグループは現在のアメリカのアリゾナ州
もう1つのグループはメキシコのメイコバという山岳地帯に定住しました
メキシコ・メイコバのピマ・インディアンは
厳しい生活環境で昔と変わらない伝統的な生活スタイルをいまも保っています
農業と酪農を営み
中程度から重度の労働を週20時間ほど続けていて
食事も豆類やイモ類、トウモロコシが主体の伝統的なもので
肥満も糖尿病もほとんど見受けられません
しかしもう一方の
アリゾナ州のピマ・インディアンです
彼らも以前はメイコバのインディアンと変わらないライフスタイルでしたが
後に白人が西部に移住しギラ河の水を自分たちの農業のために利用し始めたため
ピマ・インディアンは従来の伝統的な生活様式を維持できなくなり
1970年代には新たな移住地で米国政府の食物供給を受けて
いわば白人と変わらない生活スタイルに変わっていきました
従来の生活パターンに比べて運動量が激減
何より食生活がファストフードなどの高カロリー、高糖質です
おかげで2000年代からは
アリゾナ州のピマ・インディアンの人口の
およそ半分が2型糖尿病
成人の90%近くが肥満になってしまったんだそうです
う〜ん
まさしく欧米化が招いた悲劇ですね
って
これは日本人にもまんま当てはまる話かも
現代の日本における
運動量の低下や欧米的な食生活のスタイルが
実際、肥満や糖尿病などの成人病を招いていると言われて久しいですからね…
いやはや
上述したように
ピマ・インディアンは
元来、民族的に肥満遺伝子を多く持っている体質で
彼らの大半は
これまた上述のりんご型である
β3AR(=アドレナリン受容体)なんだそうですが
しかしメイコバのピマ・インディアンは
厳しい生活環境による豊富な運動量と伝統的な食事習慣によって
糖尿病や肥満は少なく、逆に痩せている人が多いんだそうです
つまるところ
肥満遺伝子を持っていても
生活環境と食事習慣次第で
肥満は回避できる
この記事へのコメントはありません。