映画『獲物の分け前』
1966年のフランス映画
『獲物の分け前』
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19世紀フランスの文豪エミール・ゾラの
同名小説の映画化です
監督は異才
ロジェ・ヴァディム(1928-2000)
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彼は
艶と毒を有した
その耽美な作品群もさることながら
プライベートで
ブリジット・バルドー
カトリーヌ・ドヌーヴ
そして本作のジェーン・フォンダという
3人の名女優と結婚、または事実上の婚姻関係を結び
派手な女性遍歴を持ったプレイボーイとして知られました
仲睦まじいヴァディムとフォンダのスナップ写真
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…ですが
フォンダは結婚当初
ヴァディムの無節操な性癖に
プライドを傷つけられたと後に述懐しています
まあ、いろいろあるんでしょうが
アメリカ出身のフォンダにとっては
ヴァディムとの出会いが
女優として一皮剥ける
ある種の契機になったことは確かでしょうね
つくづく陽気なアメリカ娘の健康美に
ヨーロッパ的な退廃が覆い重なることで生じる異化作用
ヴァディムの手にかかると
女優はたちまち淫らで妖しい色気を放ち
背徳の香りに満ち満ちてきます…
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…
年上の実業家アレクサンドルと愛のない結婚をし
贅沢極まりない生活を享受するルネ
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2人はパリ郊外の豪邸で暮らし始めるが
そこにはアレクサンドルの先妻の息子マキシムも暮らしていた
ルネはマキシムに惹かれ
夫の目を盗んで
彼と不倫関係を結ぶようになるが…
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後先を考えずに恋にのめり込む
軽薄でどこか刹那的な風情をたたえた女ルネ
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狡猾で冷徹な夫アレクサンドル(ミシェル・ピコリ)
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寒空などの牧歌的な風景に
物静かな音楽
漂う叙情性…
映画は自由奔放に見えながらも
愛に盲目的なあまり
結果
男に利用され全てを失ってしまう女性の姿を
冷徹に映し出します
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前半の優美なエロティシズムと
後半のシリアスで悲劇的な展開の
激しい落差
まさにエロスとタナトスですね
息子の中国趣味に漂うキッチュな異様
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終盤での奇怪な仮装パーティー
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虚々実々の男と女の駆け引き
突きつけられる現実
栄華を誇った女の孤独な末路
虚無的で哀れな姿…
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底冷えする現実を映し出す
官能と退廃に満ちた破滅的な世界観
う〜ん
圧巻です
というわけで
『獲物の分け前』は
異才ヴァディムが
独自の美学に基づいたシャープな映像感覚で
フォンダの美しさと演技力を存分に引き出した異色作
是非ともオススメです
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