芥川龍之介『酒虫』

芥川龍之介の

お馴染みの短篇集のうちの一篇として

掲載されています

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中国の古典『聊齋志異』に収められた

同名の怪異譚を翻案した作品

題して

『酒虫』(しゅちゅう)

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以下、Wikipediaよりあらすじを転載

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大酒飲みだが酔うことのない富豪の劉大成のもとを僧が訪れ、劉は酒虫による奇病に罹っていると言う

劉が酒虫の退治を頼むと、僧は劉を縛り、顔の先に酒壺を置いた

しばらくすると劉は酒が飲みたくなってきたが、縛られているため動けずにいると、喉の奥から虫が飛び出し、酒壺に飛び込んだ

虫は3寸ほどの赤い肉の塊で、魚のように泳いでいた(芥川は、口と眼があり、山椒魚のようだとしている)

僧は謝礼を断り、代わりに虫を譲り受けた

甕の中に水と酒虫を入れて掻き混ぜると良い酒ができるのである

その後、劉は酒が大嫌いになったが、次第に痩せ衰え、また貧乏になった

とあります

炎天下の中で手足を縛られ

目の前に置かれた酒を

うらめしそうに眺める劉の口から

やがて赤い魚のような生き物が

スルッと出てくる…

この生々しくもユーモラスな描写が

いやあ

なんとも読んでいて面白く

僕の想像の世界では

まるで宇宙船の中で

乗組員の口から

小さなエイリアンが出てくる…

そんな不気味で得体の知れないな感触を

ちょっと連想させたものです

このことを表した

中国の絵を発見

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この物語は

語り手による

以下、三つの投げかけで終わります

いわく

①酒虫は劉の福であって、劉の病ではない

②酒虫は劉の病であって、劉の福ではない

③酒は劉の病でもなければ、劉の福でもない

劉の一生から酒を除けば、後には何も残らない

劉は即ち酒虫であり、酒虫は即ち劉である

…と

う〜ん

酒虫は病気の元凶だったのか

果たしてどうなんでしょうか

やはり個人的には

③がしっくりくるかな

とまあ

いずれにせよ

本書『酒虫』は

文豪、芥川による

数ある短篇小説のうちのひとつにして

中国の古典を読み解いて翻案した

大変興味深い寓話ですね

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