楽天知命
今からもう10年ほど前になりますね
韓国の人権弁護士で知られる
韓勝憲先生(ハンスンホン、1934-)の
日本語版書籍の
出版記念パーティーに出席した際に
本と一緒に頂きました
↓↓↓
『楽天知命』
とあります
この言葉は
儒教のひとつ
五経の筆頭に挙げられる経典の
『易経』に記述されている言葉です
「楽天知命 故不憂」
(=天を楽しみ命を知る、故に憂えず)
もっとわかりやすく言えば
天の定めを楽しみ
自分の運命を悟り
自然の理に任せる
だから心配事は何もない
という意味で
天とは与えられた環境
つまり
与えられた境遇の中で楽しみを見出し
自らの使命を知り果たしていく
また
逆の言い方をすれば
人生を楽しむも
己の天命を知らなければならない
ということで
これは
分をわきまえる
という考えにも結びついていき
と
そう見ていくと
分をわきまえる
みんなで山分けする
みんながよくなる
おお
これすなわち
“共生”
の考え方にも相通じますね
さらには
インド独立の父
ガンディーの思想である
“知足”
(=足るを知る)
にもつながっていく言葉かな
と
韓勝憲弁護士は
主に70~80年代における
韓国の軍事独裁政権時代に
元韓国大統領の金大中氏の救援活動をはじめ
数々の民主化運動の支援に取り組み
自らも数度にわたり実刑判決を受け
弁護士資格も数年間剥奪され
獄中生活を送った体験もある方で
う~ん
でも先生は
そうした苦難の半生を微塵も感じさせない
ウィットとユーモアの持ち主で
僕も当時お会いして
とても感銘を受けたのを覚えています
そんな先生の
まさに座右の銘ともいうべき言葉が
上述の
『楽天知命』
なのです
先生の激動の半生を思うと
この言葉の重さが自ずと伝わってきて
苦しくなってきます
でも先生にとって
この言葉は
決して逆説的なつもりではなく
どこまでも人生を謳歌しようという
強い意志の表れなんですね
お会いした当時
そうした真意を
この『楽天知命』という言葉から
噛みしめた次第です
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