映画『エルミタージュ幻想』
2002年のロシア映画
『エルミタージュ幻想』
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監督は
ロシアが世界に誇る巨匠
アレクサンドル・ソクーロフ(1951-)
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…
ふと
気がつくと
映画監督はエルミタージュ美術館の中にいた
しかし彼の姿は見えない
そこへ19世紀のフランス外交官キュスティーヌが現れる
監督はキュスティーヌの案内で
200年以上の歴史を有する帝政ロシアと
現代が奇妙に錯綜した美術館内を
自由気ままに彷徨っていく…
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特筆すべきことに
本作は
SONYのHDビデオカメラを駆使して
90分全編を
なんと
ワンカットで撮影することに成功しています
いやあ
めくるめく驚異の映像です
映画は
ラファエロ、ダ・ヴィンチ、レンブラント、エル・グレコなどなど
世界の名画を辿りながら
現実と幻想が入り乱れた魅惑の世界を
鮮明に映し出します
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館内の威容
高い天井
敷き詰められた大理石
やがてカメラは
無邪気で可憐な少女たちに誘われるまま
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優美な衣装を身にまとった
貴族や将校たちが集う異空間へと
誘われていきます
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う〜ん
まるで
帝政ロシアの時代に
タイムスリップしたかのような錯覚に
自ずと陥ってしまいます
ほぼドキュメンタリーですね
この格式と威厳
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そして圧巻の舞踏会
贅を尽くした豪華絢爛ぶり
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ひしめく貴族たちの華やかな装束や
演奏の本物の迫力
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まあ
ため息が出るほどの美しさですね
つくづく
失われしヨーロッパの
その実像
かつて栄華を誇り
世界にその名を轟かせた
ロマノフ王朝の底力を
まざまざと見せつけられているようです
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いやはや
それにしても
すさまじい数の貴族や将校たち
この圧倒的な臨場感
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昔日の
華やかなりし頃の幻影
まさに
目を見張るとはこのこと
眼前に夢のような世界が現出します
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カメラの存在を意識させない
流麗なカメラワーク
しかし
それでいて
周到なタイミングで
人々の的確な配置を促すなど
映し出された映像は
多分に
ソクーロフによる
緻密に計算された演出の産物であることが
観ていてわかってきます
いやあ
世界の至宝がズラリ陳列された
エルミタージュ美術館の中で
激動の近現代ロシアの
今は亡き
過ぎ去りし世界を
完璧な時代考証に基づいて再現した
ソクーロフの実験的な試み
もう
驚嘆の一語ですね
というわけで
『エルミタージュ幻想』
フィクションとノンフィクションの枠組みを越えた
どのジャンルにも当てはまらない
唯一無二のフィルム
これは傑作です
おまけ
以前
ソクーロフの『ファウスト』について
本ブログに書いた記事は→こちら
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