枯れ木の味わい

昨年秋に91歳で亡くなった

アメリカの俳優

ハリー・ディーン・スタントン(1926-2017)

↓↓↓

blog_import_6442eff0af247.jpg

50年以上にわたる俳優人生において

実に100本以上の作品に出演

そのほとんどが脇役ながら

やせ細った身体から醸し出される

枯れ木のような渋い味わいで

孤高の存在感を発揮した

名バイプレイヤーです

いやあ

大好きでした

どこまでも寡黙な風情

無骨で旺盛な反骨心

時に人間の持つ卑屈さや脆さを垣間見せつつ

常にリアルな人間像を

フィルムに刻み込みました

また俳優業のかたわらで

ミュージシャンとしても活動

権威や名声にとらわれず

自分のスタイルを最後まで貫いた生き方に

多くの俳優がリスペクトしました

おっと

名前もカッコいいですよね

そして数々のキャリアの中で

ハリー・ディーンの名を一躍有名にした作品が

珍しく()主演を務め

ヴィム・ヴェンダース監督の代表作

『パリ、テキサス』(1984)です

↓↓↓

IMG_0583.jpeg

謎の失踪を遂げた男の

妻子との再会と別れを描いた

ロードムービーの傑作です

↓↓↓

blog_import_6442eff1f027e.jpg

無人の荒野を放浪する男の

この実存的なまでの佇まい

↓↓↓

blog_import_6442eff344c47.jpg

まんまハリー・ディーン自身かと思わせるくらい

自然でリアルな演技を披露

↓↓↓

blog_import_6442eff4e2dd1.jpg

ナスターシャ・キンスキーの名演とも相まって

う〜ん

胸締めつけられる切ないシーンです

↓↓↓

blog_import_6442eff689be7.jpg

いやはや

ということで

今回は他に

ハリー・ディーンの演技が印象的な映画を

以下にピックアップ

まずはご存じ

リドリー・スコット監督の

『エイリアン』(1979)

エイリアンに惨殺される飄々とした機関士役

インパクト大の殺されっぷり

↓↓↓

blog_import_6442eff7dfcdc.jpg

鬼才ジョン・カーペンター監督のB級アクション

『ニューヨーク1997(1981)

主人公スネークを裏切って

のうのうと生きる狡猾な男を好演

↓↓↓

blog_import_6442eff94a481.jpg

アレックス・コックス監督のデビュー作

『レポマン』(1984)

借金のかたに自動車を回収する業者(=レポマン)を巡る

パンクな野心作です

ハリー・ディーンは

主人公の青年にレポマンのイロハを教える

どこかいわくのある上司役

↓↓↓

blog_import_6442effb058e5.jpg

個人的にイチ押しなのがこれ

ウール・グロスバード監督が

エドワード・バンカーの犯罪小説を映画化した

『ストレート・タイム』(1978)

刑務所から仮出所した男が

更生しようとするも

結局、犯罪に手を染め

破滅への道を転げ落ちてゆく様を

ダスティン・ホフマンがハードに演じきります

ハリー・ディーンはホフマン演じる主人公の

昔の犯罪仲間の役

↓↓↓

blog_import_6442f0007b249.jpg

周囲を顧みず

悪事にのめり込んでいく主人公を制御しきれず

結果、警官に撃たれて死んでしまう無常

さらには

デヴィッド・リンチの

一連の映画への出演が目立ちますね

『ワイルド・アット・ハート』や『ツインピークス』のほ

中でも出色なのが

『ストレイト・ストーリー』(1991)

時速8キロのトラクターに乗って

疎遠だった病気の兄に会いにいく老人の物語

ハリー・ディーンは病気の兄を

哀感を滲ませながら寡黙に演じました

↓↓↓

blog_import_6442effc64b8b.jpg

いやあ

最高ですね

多くの作品でひとり漂わせている

悠然とした空気感がいいんですよね

実は

ハリー・ディーンの遺作となる主演作が

なんと

ただいま上映中でして

タイトルは『ラッキー』

↓↓↓

blog_import_6442effde36b5.jpg

僕もまだ観てませんが

ハリー・ディーン・スタントンの孤高の生き様の

まさに終幕のようですね

↓↓↓

blog_import_6442efff367a7.jpg

必見の新作です

というわけで

伝説の名優でした

あらためてご冥福を祈ります

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。