『ザ・ラストガール』

2018年にノーベル平和賞を受賞した

ナディア・ムラドの自伝

『ザ・ラストガール』

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わずか21歳で

過激派組織ISIS(イスラム国)

囚われの身となる

壮絶な体験を経た著者が

その衝撃の実態を赤裸々に語った

400ページに及ぶ

克明なドキュメントです

う〜ん

ここに記されていることが

わずか数年前まで起こっていたということに

まずもって愕然とします

イラク北部にあるコーチョという小さな村

少数派の保守的な宗教である

ヤズィディ教徒のひとりとして

ナディアは

貧しいながらも家族と穏やかに過ごしていた

しかしイラクにおける紛争の影が

彼女たちの生活へと及んでいき

とうとうある日

ISISによる襲撃に遭い

家族を殺され

自身、囚われの身となり

性奴隷として

地獄の日々を送る

しかし

そんな絶望的な状況から

奇跡的に脱走

いろんな人たちの助力を得て

やがて人権活動家として

自ら声を上げて

ISIS蛮行の実態を

白日の元にし

現在も根絶を訴える活動を続けているのです

いやあ

まこと想像を絶する話ですね

そしてあらためて

問題の根本に

宗教が横たわっています

信仰や価値観の違いから

ヤズィディ教徒は奴隷なので

何をしてもいいという

ISISのは宗教的解釈は

単なる曲解で

到底許される話ではありません

ISISが犯してきた

他教徒への虐殺や性暴力などの犯罪行為に

僕らは決して目を背けてはならないと

痛切に思う次第です

本書の終わりに

「この世界で私のような体験をする女性は、わたしが最後(ラストガール)であってほしい」

とあります

というわけで

本書『ザ・ラストガール』は

ナディアの

想像を絶する体験と

勇気ある言動に

衝撃と感嘆の念を抱く

必見のドキュメントです

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