映画『情婦マノン』

Amazonプライムで

古いモノクロの映画が

どんどん入ってきて

つい観ちゃうなぁ

ということで

1949年のフランス映画

『情婦マノン』

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監督は

サスペンスやフィルムノワールの

名手として名高い

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(1907-1977)

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本作は

アべ・プレヴォーによる

1731年の小説『マノン・レスコー』を

現代の物語に翻案したもので

戦中戦後の時代を舞台に

男女の逃避行と破滅を鮮烈に描いた

人間ドラマの力作です

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第二次世界大戦後

ユダヤ人の一団を乗せ

イスラエルへと向う貨物船から

若い男女の密航者が見つかる

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この2人

ロべ-ルとマノンは

ここへ来るまでの長い過去を

船長に語って聞かせる…

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レジスタンス運動の最中に

ふとしたきっかけで2人は出会い

たちまち恋に落ちるも

戦後

実直な結婚生活を求めるロベールに対し

マノンは贅沢な生活に憧れ

娼婦もいとわない

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そんな2人のもつれから

ロベールは殺人を犯し

逃亡の身となってしまった、と

話を聞いた船長は

警察に通報せず

ユダヤ人たちの船に乗せて

2人を見逃してあげる

…が

う〜ん

なんといっても

ラストの展開が強烈です

ユダヤ人一行は

パレスチナの海岸に上陸するも

車の燃料が切れ

やむなく砂漠を

歩いていくことになる

照りつける太陽のもと

枯渇していく身を引きずりながら

砂漠を進む道中

突如、アラブ人部隊の襲撃に遭い

一行は全滅

マノンも被弾して死んでしまう

よくよく

イスラエル建国がもたらす

パレスチナ紛争の根の深さが

アラブ人の襲撃という形で表されます

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ロベールは

マノンの遺体を抱え、引きずり

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程なくして

逆さに担いで

そうして

砂漠をさまよい歩いていく

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しかしやがて

力尽きて

その場に崩れ落ち

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マノンを砂中に埋めながら

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これまでの2人の半生を振り返りつつ

ようやく彼女を

自分の掌中に収めたと安堵し

自らもそのまま息を引き取る…

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つくづく

ロベールのマノンに対する

一途な愛情

嫉妬心や執着心などの

屈折した心理

ふと

彼のそうした感情の背景には

他ならぬマノンの持つ危うさ

男を惑わせ破滅させる

いわばファムファタールな

女の本性を

目の当たりにしてきたがゆえ

その魔性の魅力に

誰よりもロベール自身が囚われたがゆえ

ということになりましょうか

しっかし

戦前戦後のヨーロッパから

灼熱のパレスチナへと至る

2人の道程の

なんとまあ

濃密で鮮烈な映像表現でしょうか

というわけで

『情婦マノン』

クルーゾーが描く

男女の激しくも純粋な愛と末路

いやあ

本作はまさに

映画史に名を残す古典です

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