映画『ボーはおそれている』

2023年製作のアメリカ映画

『ボーはおそれている』

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監督・脚本・製作は

映画界の次代を担う若き変態(!)

アリ・アスター(1986-)

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そして主演は

名優の誉高い

ホアキン・フェニックス

本作で見事にぶっ壊れています

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う〜ん

ポスタービジュアルを見た時点で

普通の映画じゃないな

と思ってはいましたが

一体全体

なんじゃこりゃ…

ハハハ

観る者の予想を裏切り続ける

怒涛の179分

いやあ

面喰らいました

そして

正直ホトホト疲れました

本作はアスターの

アブノーマルな映像センスが爆発した

まさに近年稀に見る怪作です

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怖がりで神経症のボーは

つい先ほどまで電話で会話していた母が

突然、怪死した(⁈)ことを知る

亡くなった母のもとへ

すぐさま駆けつけようとするが

しかし

つど行手を阻まれ

次から次へと災難に見舞われる

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そんな男が辿る

悪夢と妄想の道程

稀有壮大な旅の果て…

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本作は

大きく4つのパートに分かれていて

それぞれのパートで

終わりにボーが

なんらかのアクシデントで気絶することで

次のパートに移行する構成となっています

各パートにおいて

諸々ほのめかされながら

最後のパートで事実が明かされ

伏線が回収されるのですが

う〜ん

話はどうもスッキリしない

全編

何かのメタファーで覆われているようです

まず

冒頭から

ひたすら

あり得ないシチュエーションによる

奇妙でシュールな出来事の連続で

どう考えてもこれは現実ではない

どうやら

ここに映し出された世界は

不安と恐怖に駆られたボーの内面

いわば心象風景を表しているようです

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って

3つ目のパートは

前作『ミッドサマー』を彷彿させる

狂気の世界再びといった趣で

観ていて

思わず胸がざわついた次第

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亡くなった母のいる実家へ帰省したいが

どういうわけか

いっこうに辿り着けず

焦燥感に駆られるボー

しかし

よくよく

幼い頃のボーと母の

フラッシュバックされた過去から

二人の共依存の関係性が

自ずと垣間見えます

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ふと

これは潜在的に

母に会いたくない

内心のところで

母から逃れたいという

ボーの心情を投影しているのかもしれない…

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つまるところ

本作は

母の呪縛から

身も心も逃れられないまま

大人になった中年男ボーの

母に対する

愛憎渦巻く二律背反的な想い

それが昂じて

強迫観念に囚われたボーの

複雑な心の内と事の顛末を

映像化したものである、と

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そして

それは多分に

いびつで誇張された世界

見えない脅威に怯え

恐ろしい殺人が繰り広げられ

グロテスクな怪物が登場する

世界は不安と混沌に満ちている…

ふと

もしかしたら

ボーは現在

実際に心を病んでいるのかもしれない

本作は

そんなボーの歪んだ精神状態を

ホラーやコメディの要素も含んだ

荒唐無稽なファンタジーという体裁で

視覚化したものである

と捉えることができましょうか

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とまあ

それにしても

さすがは”ジョーカー”ホアキン

周囲の高い期待を

軽々と超えて見せる怪演ぶりです

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何よりも

監督のアリ・アスター

ふぅ

やはり只者じゃないですね

他に類を見ない独創的なビジュアルに

終始圧倒されっぱなしで

ホント参りました

というわけで

ボーが辿る

怪しくも夢幻的な心の旅

いやあ

ヤバいです

でも

必見です

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おまけ

アスターの前作『ミッドサマー』について

僕が以前書いた記事です→こちら

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