映画『ゴッドランド』

2022年製作

デンマーク・アイスランド・フランス・スウェーデン合作の

『ゴッドランド』

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監督・脚本は

アイスランドが生んだ若き鬼才

フリーヌル・パルマソン(1984-)

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『LAMB/ラム』(2021)の

ヴァルディミール・ヨハンソンといい

いまアイスランド映画がアツいですね

ということで

本作は

ある若い牧師が辿る苦難の道程を

アイスランドの圧倒的な大自然と共に炙り出した

人間ドラマの力作です

19世紀後半

デンマークから若い牧師ルーカスが

統治下にあった

辺境の島国アイスランドへ派遣される

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彼の使命は

アイスランドの僻地に教会を建て

住民をキリスト教に導き

さらに現地を写真で記録する

というものだった

そうしてルーカスは

通訳や現地案内人とともに

陸路による旅に出る

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しかし彼ら一行は

程なくして

想像を絶する過酷な道のりを余儀なくされる

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アイスランドの厳しい気候と

荒れ狂う自然の脅威にさらされ

デンマーク嫌いの

現地案内人ラグナルと度々衝突し

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次々と予期せぬアクシデントに見舞われ

次第にルーカスは

精神的に追い詰められていき

人間性はおろか

宣教師としての使命感

何より信仰心が

脆くも崩れていく…

やがて瀕死の状態で

村へとたどり着く…

う〜ん

すさまじい映画です

全編にわたる

大自然の猛威

そしてこの

目を見張る美しさ…

曇天の空

吹きつける暴風雨

広大な荒野

火山の噴火

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轟音と共に流れ落ちる滝

氷河に閉ざされた湖…

4:3の画角によって映し出される

神話の世界のような風景が

ただもうひたすらに

観る者を圧倒します

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自然はどこまでも美しく神秘的ですが

同時に

ある種の暴力性をともなっています

つくづく

大自然の脅威を前に

人間は

なすすべもない

そこに

人間性も

信仰心も

介在する余地がない…

ふと

旅を進めていく中で

にわかに露呈していくのですが

このデンマーク人の牧師ルーカスが

植民地であるアイスランドの人々に対して

どこか上から目線で

啓蒙する姿勢が目につくのです

それは宗教的な側面においても同様で

アイスランドの文化や習俗を受容しようとせず

一方的に価値観を押しつけようとする

ある種の傲慢さを

この若い牧師から垣間見るのです

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現地の案内人ラグナルとの確執は

まさにその表れで

終盤

打ちつける波しぶきを尻目に

二人は殴り合います

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そこには

信仰心もへったくれもない

ある種

人間の本質的な姿が立ち現れています

ふぅ

雄大な大自然と

エゴを剥き出しにした人間の諍いとの

この鮮やかな対比…

濃霧に包まれた寒村

現場音のみが響き

過度な効果や

誇張された演出が抑制された中で

しかし

たしかに宿る

人々の熱

豊かな風情

衣服や調度品、建造物の素朴な味わい

のどかに奏でられるアコーディオンの音色

建築途中の教会で行われた

結婚の儀に集う村人たちの様子を

360度パンの

ゆっくりとしたカメラがとらえます

つくづく

映像の端々から

リアリティが滲み出ます

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本作は

写真が重要なモチーフとなっていまして

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人々の姿を記録し

時の移ろいを経た後

そのリアルな相貌が

立ち現れることによって

ほのかに宿る神話性

画面サイズの4:3の画角は

まるで昔の写真

いや

古い記録映像を見ているような

錯覚にとらわれます

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とまあ

生真面目で不器用

繊細で神経質な牧師が直面する

人生の試練…

ときに愛し合い

そして

死と隣り合わせの

神の土地で

彼は何を思うのか…

いやあ

なんとまあ

様々な示唆に富んだ

映像表現でしょうか

この若き鬼才

パルマソンの手腕に脱帽ですね

というわけで

『ゴッドランド』

見応え十分

類稀なスケールで

文明と自然を描き

信仰の真の意味を問う力作

これは必見です

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