『ダリ展』
先月12月に終わってしまったので
今さらですが…
『ダリ展』に行ってきました
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場所は六本木の国立新美術館
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もうちょっと早くアップしたかったんですが
なかなかできませんで…
ということで
遅ればせながらです
言わずと知れたスペインの鬼才
サルバドール・ダリ(1904-1989)
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すごいボリュームでした
本展は
油彩画を中心に
ユニークなオブジェや書籍、映像などなど
多岐にわたるダリの作品
およそ250点が一堂に結集
日本では過去最大規模の回顧展で
この稀有な芸術家の全貌に触れる
またとない機会でした
ダリといえば
シュルレアリスムの代表的な画家
そして様々なジャンルを横断した
現代アートの先駆者
といったイメージが強いですが
そのような一面には到底とどまりませんね
とにかく
その内実の濃密さに圧倒されました
つくづく天才ですね
この人は…
本展は
全8章に分けてダリの偉業をご紹介
1.初期作品
2.モダニズムの追求
3.シュルレアリスム時代
4.ミューズとしてのガラ
5.アメリカへの亡命
6.ダリ的世界の拡張
7.原子力時代の芸術
8.ポルト・リカドへの帰還ー晩年の作品
ということで
以下
つらつらとご紹介
◎《ラファエロ風の首をした自画像》(1921)
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背景には
お気に入りの漁村カダケスの風景
最も尊敬する画家の一人
ラファエロに自己を投影した
若き日のダリのナルシシズム
思い入れたっぷりです
◎《キュビズム風の自画像》(1923)
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こちらは一転
モダニズムを追求していたダリの
シュルレアリスムに至る前の時期の作
自身のスタイルを
貪欲に模索していた姿がうかがわれますね
つくづく
後の作品も含めて
ダリはあらゆる画風に精通していたんですね
◎《ルイス・ブニュエルの肖像》(1924)
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ご存じ
シュルレアリスムの盟友の肖像です
ブニュエルとの共同脚本による実験映画
『アンダルシアの犬』(1928)は
今ではアヴァンギャルドの古典として
名高いですが
上映当時の観客の反応は
凄まじかったでしょうね…
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と続いて製作された共同作品
『黄金時代』(1930)と併せて
本展にて上映されていました
さあ
そして
圧巻のシュルレアリスム時代を迎えます
◎《子ども、女への壮大な記念碑》(1929)
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圧倒的なまでに奇怪な造形と色彩
◎《速度の感覚》(1931)
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時間の観念のない
いわば真空状態のような悪夢の世界
◎《降りてくる夜の影》(1931)
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非人間的な張り詰めた空間構成が
不安感を助長します
◎《紅冠鳥の巣と同じ温度であるべきナイト・テーブルに寄りかかる髑髏とその抒情的突起》(1934)
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髑髏とグランドピアノの歪な
しかしどこか美しいまでの融合
その突出した造形にもかかわらず
風景になじんでいく不思議
◎《謎めいた要素のある風景》(1934)
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極端な遠近法
不穏なまでに真っ青な広い空
巨大な物体と
遠く小さな粒のような事物との並存
得ないの知れない
緊張感を孕んだ超現実的な世界
どこかジャコメッティの作品を想起させますね
◎《奇妙なものたち》(1935)
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鮮烈な赤
奇妙な人物やオブジェたちの魅惑的な配置
お馴染みの時計もそうですが
ダリの作品によく見られる
グチャッと歪んだ物体が惹きつけられます
次から次へと
洪水のように溢れ出るイマジネーション
尽きませんね…
さらに愛する伴侶であり
芸術家としてのダリにとっての
重要な着想源でもあった
妻ガラの一連の作品も
興味深かったですね
◎《ガラの測地学的肖像》(1936)
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ルネサンス期の建築家風の衣装をまとったガラ
あらためて
ダリの写実的な筆致の見事さは
目を見張るものがありますね
ダリは
ルネサンス以降の絵画の歴史に精通し
伝統的な絵画の手法を取り入れたり
ラファエロやフェルメールなど
リスペクトする画家やその作品を
引用したりして
自身の世界観を構築していきました
その後ダリは
アメリカへと渡り
その類稀な才能を
より多方面へと拡散させていきます
ダリが演出したとされる
ヒッチコックの『白い恐怖』(1945)
の中の主人公の幻想シーンや
ディズニーとのコラボによる7分の短編
『デスティーノ』(ダリの死後2003年完成)も
本展にて上映されていました
また原子力を
創作のモチーフとした作品群も必見でしたね
◎《ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌》(1945)
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そして広島への原爆投下に
衝撃を受けたダリが
平和への祈りを込めて描いたとされる
◎《ポルト・リカドの聖母》(1950)
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そんなこんな
キリがないですね…
というわけで
いやあ
ダリの凄さに
終始圧倒されっぱなしの本展でした
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