映画は芸術か商品か
僕が映画を観るときのポイントは
いくつかありますが
そのひとつが
驚くかどうか
です
その映画に
ビックリさせられる何かがあれば
その映画は
観る価値があったと思うわけです
まあその驚きは
表現の自由さ
視点の新しさ
などに収束しがちではありますが…
それは特には
自分が今まで
見たり聞いたり経験したりしてきた中で
自然と形成されてきたフレーム=価値観を
ハミ出るものがあるかどうか
です
どの部分でもいいです
ストーリー、映像、音楽、役者の演技、もちろん演出etc…
ワンシーン
いやワンカットですら
おや
という表現を見い出すことができれば
観た甲斐があったなと
もう満足です
これは何も
映画に限ったことではありません
他の芸術にもそのまま当てはまります
もっといえば
仕事や人間関係
あるいは人生全般にもいえるかもしれません
しかし
仕事や人間関係などは当然
モラルや道徳などを無視するわけにはいきませんが
芸術は逆にそういった
既存の価値観や常識などを
どれだけ打ち破れるかが
勝負となってきます
そこに立脚した自由な表現こそが
芸術の面白さでもあり
怖さでもあるのです
とはいえ
映画は
絵画や踊りなど一人でできる
いわゆる“純粋芸術”と違い
様々な人、金、時間などが合わさってできる
“総合芸術”なため
多くのしがらみが介在し
なかなかハミ出た表現ができ得ないのは
事実ですね…
多くの場合
芸術的な表現を追求する前に
まず前提として
商品であらねばならないのです
ここが観ていて
映画をつまらなくさせているのです
大衆向けに映画を収めようとするあまり
ハミ出すことがなくなってしまうのです
でも本当に凄い映画というのは
商品である前に
優れた芸術品です
優れた芸術品とはどこまでも私的です
つまり映画監督である前に
作家なのです
作家という意識をもって
映画を撮っている監督は
現実的にどれだけいるか
なので
映画の出来不出来はともかく
僕はこのような様々なしがらみの中で
ハミ出そうともがいている監督
あるいは
過去の実績から
ある程度それが許される
つまりハミ出してなお
市場価値を保ちうる数少ない監督は
これはもう
要チェックなわけです
まあ突き詰めて考えれば
本当に優れた映画監督とは
“芸術”と“商品”の共生を
成し遂げられる人
と定義することができましょうかね…
しか~し
僕は個人的には
どこまでも
“芸術”が先行してほしいと願っています
映画はひとりよがりで
己をさらけ出してこそ
思いもよらぬ何かが生まれるのではないでしょうか
僕は創作とはそういうものだと思います
果たして
現代の監督で
上記のような作家はどれだけいるでしょうか
たとえば…
おっと
いましたいました〜
ただいま上映中ですね
↓↓↓
というわけで
ヘルツォークのことは
またあらためて…
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