ギリシャの巨匠の訃報

去る1月下旬に

ギリシャを代表する映画監督

テオ・アンゲロプロスが

↓↓↓

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新作撮影の合間に

バイクにはねられて事故死するという

残念なニュースがありました

享年76

アンゲロプロス監督は

自身のキャリアの集大成となる

“20世紀三部作の最終作

『もう一つの海』(仮題)を撮影中だったとのことで

う~ん

作品の完成を見ることなく

旅立っていかれたことが

悔やまれてなりませんね

その三部作の一作目となる傑作

『エレニの旅』(2004)について

以前書いたブログはこちら

いやあ

アンゲロプロスの映画には

他に類を見ない

とてつもないスケールがありましたね

そのスケールの正体は

時間と空間を大胆に飛翔する

あのスローテンポの長回しや

曇天狙いの映像にあります

何がすごいって

観ている最中

つい

うとうとと眠ってしまい

ハッと

気がついても

まだ同じ映像

という

(冗談じゃなくてホントに…)

その大胆極まりない

悪魔的な長回しですよ

また

アンゲロプロスの映画は

とにかく恐ろしいまでのスローテンポ

いつでもゆったりとした時が流れていて

これはもう僕ら観る側の

器量

もっと言えば

人間力が

試されていると言えば

果たして言い過ぎでしょうか

(言い過ぎだろ~)

そして

静謐な画面から漂ってくる空気感は

暗く重く不穏

地中海に面した太陽の眩しい国

ギリシャの従来のイメージを覆すような

まさに暗部を常に捉えてきました

それはこの国の圧政に苦しむ民衆の声を

代弁しているのでしょう

今現在もギリシャは

経済の停滞にあえいでいる渦中にいますが

ということで

初期の二本をオススメ

『旅芸人の記録』(1975)

↓↓↓

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2次世界大戦から独裁政権誕生の

混乱の時代を背景に

政治に翻弄される旅芸人一座の

流浪の生活を通して

激動のギリシャ現代史を

古代神話と重ね合わせて描き切った代表作です

そしてもう一本

『狩人』(1977)

↓↓↓

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死んだはずの兵士の死体を雪山で発見した

狩人たちの証言を通して

今だ清算されていないギリシャの政治と

歴史の深い闇に迫った力作です

他にも

『アレクサンダー大王』(1980)

『ユリシーズの瞳』(1995)

『永遠と一日』(1998)

など

いやあ

傑作揃いです

どれも

1シーン1カットの

悠久で美しく

流れるような画面が忘れ難く

まるで絵画のような映像が

観る者の心を静かに揺さぶります

う~ん

未完となった遺作が

誰かの手で

是非とも完成することを切に願います

アンゲロプロスの死は

世界の損失です

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