映画『シェルブールの雨傘』
6月ももう終わりですね…
ジメジメした梅雨が過ぎて
まもなく暑い夏がやってきます
…と
夏を迎えるその前に
雨の季節にこそ観たい一本
1964年のフランス映画
ジャック・ドゥミ監督の
『シェルブールの雨傘』
↓↓↓
いやあ
この映画
素晴らしいの一語に尽きます
驚嘆すべきは
全編を通して
セリフがすべて
歌
登場人物たちは
みんな
歌で会話するという斬新な演出
物語…
1950年代後半
フランスの港町シェルブールで
小さな傘屋さんを営む母と娘
娘には結婚を誓った恋人がいたが
恋人はアルジェリア戦争のために2年間の兵役に赴く
娘は彼の子を身ごもるが
彼とはその間、音信が途絶え
娘は彼が戦死したものと思いこみ絶望する
やがて娘は宝石商の求婚を受け
幸せな家庭を築くが
彼は戦争から無事帰還していて
結局、すれ違いのまま別の女性と結婚する
そして数年後
雪の降る夜に
お互いばったりと出会い…
シンプルなラブストーリーにして
異色のミュージカルです
戦争
灰色の港町
雨に濡れた石畳
悲恋…
暗いトーン
重く陰うつな題材、舞台の上に
塗り重ねられる
カラフルでロマンチックな世界
衣装やインテリアに
赤やオレンジ、ピンクなどの原色を施す大胆さ
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中でも見事な金髪に
カラーのインナー
そしてバーバリーのトレンチコートを着た
主演のカトリーヌ・ドヌーヴの可憐さ
全編
歌による華やかなセリフ回しと相まって…
映画は
明るさと暗さ
楽しさと悲しさが
奇妙に融合した
そんな独特の深みを宿した世界観を醸します
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いくら明るい原色を配しても
どこか物悲しさがにじみ出て…
現実を夢で塗りつぶし
でもそうすればするほど
結果
戦争によって引き裂かれる
若い恋人たちの苦悩が
いっそう際立ってしまう…
いやあ
冴えわたる演出のドゥミ
音楽のミシェル・ルグラン
主演の若きドヌーヴ
この三位一体によって生み出された
映画表現の新たな地平
オンリーワンの称号を得た作品にのみ
時代を超えて
いつまでも降り注ぐ“聖性”
決して色あせることがありませんね
…
ところで数年前
リバイバル上映でこの映画を劇場で観た際に
ドヌーヴファッションに身を包んだご婦人たち…
トレンチコートやブーツ
そして雨が降っていたせいもあって
かわいい雨傘を持った人たちを
こころなしか多く見かけ
観にきていたお客さんたちに
ある種の一貫性を感じたのを覚えています
『シェルブールの雨傘』を観に行く日に
雨が降ってくれたのを
心から喜んでいるような
なんだか
そんな無邪気な年配の人たちで
いっぱいだったように思います
いやあ
名作です
なんといってもこの映画は音楽だと感じていました。実をいえば、それ以外にはヒロインの美しさを除いて、余り記憶がないんです(笑)。今回も作品の奥行を勉強できました、ありがとうございます。
>(株)第二営業部さん
なんてったってドヌーヴがかわいいですよね(#^.^#)。
コメントありがとうございますo(^▽^)o!