映画『ショア』
ふと
つくづく
人は少なからぬ精神的苦難、肉体的負担を味わうと
その反動で
そうした事実から目を背け
過去を閉じ込めようとするものなのかな
と、そして
そんなプロセスを経た結果
本当にその嫌な出来事を無理矢理にでも忘れてしまう
…か
実際のところ
それを忘れることなど到底できるわけもなく
癒すのに長い歳月を要する
…か
そこから逃げるため
快楽にふけるなど
つらい経験と真逆のことに費やすようになる
…か
う~ん
大なり小なり
どれも全部ですかね
まあいっぱしの大人なら誰しも
それこそ大なり小なり
ストレスを抱え
自分の思うようにならない苦悩を味わいながら
それでも生きているわけで
それをいちいち引きずっていたらキリがなく
そうして
自分に都合のいい事実と
忘れてしまいたい事実とを
無意識のうちに取捨選択しながら
上手にこなしているのかな
と
なんとなく
そう思います
でも多少なりショッキングな経験は
やはりどこか無意識下に沈殿しているはずで
それが時折
何かの拍子にムクムクと頭をもたげ
おもむろに意識させられる瞬間も
ままあるわけで
そうしたことの絶え間ない繰り返しの中で
人は強くなっていくのかな
って
でもできることなら
そんな経験はしたくないものだな
と思う今日この頃です
ということで
1985年製作のフランス映画
日本での公開は1995年
昨年亡くなったクロード・ランズマン(1925-2018)監督による
ドキュメンタリーの極北
『ショア』(Shoah)
↓↓↓
ナチスによるユダヤ人大量虐殺(=ホロコースト)の歴史を
被害者のユダヤ人、加害者の元ナチス、傍観者のポーランド人
それぞれの人たちにカメラを向け
延々とインタビューを敢行
そうして集まった彼らの肉声から
ホロコーストの真実を捉えようと試みた
上映時間、実に9時間27分に及ぶ大作です
過去と向き合う痛み
葛藤のプロセス
長い長い時間が物語る衝撃
のしかかる事実の重み
う〜ん
この時代を生きた人の苦難は
現代を生きる僕らには
およそ計り知れないものがありますね
つくづく…
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