映画『突破口!』
先日BSで放映されていて
久々に観ました
1973年製作のアメリカ映画
『突破口!』
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監督は
『ダーティハリー』があまりにも有名な名匠
ドン・シーゲル(1912-1991)
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本作はシーゲルが
前作『ダーティハリー』の続編の依頼を断り
自身でプロダクションを設立して撮り上げた作品で
長年、数多くの現場を経験する中で培ってきた彼の
まさに職人魂が炸裂した一本です
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元曲芸飛行士で今は農薬散布の仕事をしているチャーリーは
若い仲間たちや妻と共謀し
ニューメキシコにある小さな銀行を襲撃し現金を強奪するも
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銃撃戦の末、仲間のひとりと最愛の妻を失ってしまう
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命からがら逃げ帰ってきたチャーリーとハーマンの2人は
しかし強奪した金が75万ドルもの大金であることに驚愕
すぐにその金がマフィアの隠し金だということに気づく…
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と
マフィアはすぐさま凄腕の殺し屋モリーを雇い追跡を開始
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果たして
思いがけない大金を手にした男たちの
その後の運命や、いかに…
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主演のチャーリーにウォルター・マッソー
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闘志を全面に出さない
終始とぼけた冴えない風貌ながら
その実
危機的状況を冷静に見極め
先を読み
突破口を見出し
淡々と実行に移していく
う〜ん
そのプロセスが
観ていて小気味よく
決して二枚目のタイプではないのですが
どこかハードボイルドな風情が漂っていて
いやあ
これがカッコイイんですよね
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マッソーは
長身で顔が小さいこともあって
どの作品でも
スーツを実によく着こなします
つくづく
男は顔じゃない
醸し出す余裕や優しさ、知性、気品
そうした懐の深さが味わいとなって
ダンディな中年男のムードが滲み出ているんですよね
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さらには
脇を固める役者たちも素晴らしい
チャーリーの若き相棒、ハーマンに
『ダーティハリー』の殺人鬼役で知られるアンディ・ロビンソン
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不敵な笑みを浮かべ
粛々と任務を遂行していく
非情な殺し屋モリーに
ジョー・ドン・ベイカー
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資金洗浄を担う銀行の頭取に
ジョン・ヴァーノン
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などなど
渋い役者たちが勢揃い
他に小さな役でも誰も彼もが
皆いい味出していて最高です
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と
殺し屋モリーの執拗な追及に遭いながらも
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映画は
クライマックスで
あっと驚く展開を見せます
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う〜ん
なんとも70年代テイストといいますか
この時代のアメリカ映画の
古めかしくも
どこか乾いた熱気に溢れた
ある種、軽快なB級アクションのノリが
いやあ
僕は大好きなんです
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CGも何もない
正真正銘の生の味わい
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もとより
名匠シーゲルの無駄のない完璧な演出
張り巡らされた伏線などの見事な脚本
人間臭い、際立つキャラの役者陣
とまあ
つまるところ
いい映画のこれ、お手本ですね
というわけで
本作『突破口!』は
ドン・シーゲルの確かな手腕が冴え渡った
知る人ぞ知る
クライムアクションの傑作です
おまけ
シーゲルの映画は何げにハズレなしです
イーストウッドと組んだ作品群は言わずもがなで
他に例えば
初期の頃のこれ
◎『第十一号監房の暴動』(1954)
◎『殺人捜査線』(1958)
◎『殺人者たち』(1964)
リー・マーヴィンが最高です
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