倍速視聴などの是非
う〜ん
映画や映像作品を
倍速視聴したり
10秒スキップして観ることが
ここ最近
話題になっていますね
あるいはファスト映画…
ファスト映画とは
…製作者ではない第三者が、あらすじや結末がわかるような形で映像作品を勝手に短く編集して、動画サイトなどにアップした違法な映像のこと
とまあ
悠久なるフィルムの波長に
観る者が乗った時の
この心地よさ
まさに時間芸術の醍醐味
それをあろうことか
早送りして観るなんて
ああ
なんてもったいないこと
アンゲロプロスを
タルコフスキーを
タル・ベーラを
いいから
今から
つべこべ言わずに
黙って観なさい
って
おおっと
7時間を超える伝説の長編
タル・ベーラの『サタンタンゴ』(1994)
↓↓↓
とまあ
つまるところ
映画を観る
ということが
イコール
ストーリーを追っかける
ということになっているので
なおさら早送りをしたがる
ということなんでしょうね
否
それを決して容認してはいけない
それはすなわち
文化の退行以外の
何物でもないのですから
と思っている僕を尻目に
ある記事で
「今や映像は能動的に観るものに“進化”しているのだから、本を斜め読みや飛ばし読みされるように、映像も倍速視聴や10秒飛ばしをされる前提であってもよいのでは」
という意見を目にしました
ある意味
なるほどと思いましたね
まあ
そうした価値観に至る前提として
サブスク(読み放題、見放題などの定額サービス)の浸透・普及によって
コンテンツの供給過多が起き
作品をじっくりと鑑賞するのではなく
いかに短時間で
多くの作品を消費するかに
重きを置くようになったのかな、と
また
時間のコストパフォーマンスの略である
「タイム・パフォーマンス」(=タイパ)の重視
つまりは効率的に
コンテンツの“消費”が求められ
作品の“鑑賞”は二の次になるという
価値観の変化です
さらに加えて
視聴者にとっては
流行に敏感についていきたい
話題に乗り遅れたくない
感想などを通したコミュニケーションに
比重が置かれ
チェックすべき作品が
どんどん増えていっている
という傾向にあるようですね
ふ〜ん
って
そもそも
かくいう僕も
実際のところ
早送りとかスキップとかを
たまにやっちゃってはいますがね…
ええっ
まあ
観ている映画が
ホトホトつまらなかったり
あるいは
お気に入りの俳優目当てで観ていて
その俳優の出番が来るまでは
ひたすらに早送り〜
なんて
ハハハ
あるあるですね
個人的に
倍速視聴などは
好みや目的に応じて
上手に活用すればいいだけのことかなと思います
まあこれらは
総じて
情報過多の時代に適応した傾向ですが
しかし
くれぐれも
映画は
これ以上なく贅沢な
時間芸術であるということを
決して忘れてはいけませんね
映画を
流れる映像や音など様々な情報に触れながら
いろんなことに思いを巡らせ
じっくり
ゆっくり
腰を据えて鑑賞することの
この上なく豊かで
至福のひととき…
素晴らしい映画を観た時以上の
有意義な時間の使い方って
う〜ん
大げさじゃなくて
他に思い当たらないんじゃないか
というのが
僕の偽らざる実感ですね
まあこれは
芸術全盤に言えることでしょうが
映画は
もちろん有用ですが
むしろ逆に
別に観なくても死ぬわけではないので
ある意味
無用でもあり
だからこそ面白く
そんな合理と非合理の
両方の側面を併せ持った
つくづく
魅惑的な産物ですね
というわけで
いやあ
やはり映画館の暗闇で
じっと息を潜めながら
いい映画を観たいものですね
つくづく…
って
結論はそこか〜
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