映画『ザ・キラー』
Netflix配信による
2023年公開のアメリカ映画
『ザ・キラー』
↓↓↓
監督は
『セブン』『ファイトクラブ』の鬼才
デヴィッド・フィンチャー(1962-)
↓↓↓
流れるモノローグ(=独白)
「人は生まれ
人生を歩み
いずれ死ぬ
それまでは
“汝の意思することを行え”
…」
“殺し”を生業とする男
↓↓↓
独自の哲学
厳格なルール
用意周到な計画の下
粛々と
ルーティンを進め
この日も
いつものように
任務を遂行するはずだった
↓↓↓
…が
あろうことか
男は
標的を狙撃する際に
思わぬミスを犯してしまう…
精密機械のような
この冷徹な暗殺者に
にわかに
芽生える焦り
一抹の不安
すぐさまプラン変更で
その場を立ち去るも
これによって
男は世界中から狙われる身となる
自宅は荒らされ
恋人は無惨な姿となって病院で横たわっていた
そして男は
復讐のために
ひとり戦いを仕掛けていく…
↓↓↓
完璧な段取りと実行で
未だかつてミスをしたことがない
冷静沈着な殺し屋が
はじめて直面する
想定外の危機
それによって
自ずと
必死さが漂い
そうして
男に
ある種の人間味が生まれます…
う〜ん
面白い
マイケル・ファスベンダーが
クールで
ハードで
それでいて
事態を収拾すべく
文字通り
奔走する
孤独な暗殺者を
的確な立ち居振る舞いで好演しています
↓↓↓
ふと
ストイックで
完璧主義を貫く様が
どこか
『サムライ』のアラン・ドロンを
彷彿させますね
と
男を取り巻く状況以外は
あえて極力、説明を排し
どこまでも殺し屋の内なる声と
行動にフォーカスを当てた
ミニマムな演出
↓↓↓
ゆえに
映画は
得体の知れない不穏さをはらみ
終始、緊張感に包まれています
登場人物たちも
一体何者なのかが
にわかに判別しづらい
お
謎の暗殺者を演じる
ティルダ・スウィントンが
独特の存在感が放っています
↓↓↓
映画は
起伏の激しい展開でもなく
派手なアクションがあるわけでもなく
あくまで静かに
淡々と進行していくのですが
思った通りに
事が進んでいかない意外性と
それに対処する男の
寡黙な行動様式が
深淵なモノローグと相まって
観ていて小気味よく
なんだかんだ
片時も目が離せない
リアルな緊迫感に満ち満ちています
暗いトーンのスタイリッシュな映像によって
創出された
ノワールな世界観
いやあ
さすがフィンチャー
この手のジャンルの演出には
格段の冴えを見せてくれますね
というわけで
『ザ・キラー』
つくづく
渋い映画
夜、ワインでも飲みながら
一人まったりと観たい佳作です
↓↓↓
この記事へのコメントはありません。