映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』

1984年製作

アメリカ・西ドイツ合作の

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』

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監督・脚本は

ジム・ジャームッシュ(1953-)

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ご存じ

長編2作目となる本作は

彼の名を一躍世界に知らしめた

記念碑的作品です

ニューヨークに住む

ハンガリー系アメリカ人ウィリーのもとへ

ハンガリーからやってきた従妹エヴァが

しばらく同居することになる

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最初はぎこちない関係だったものの

友人のエディも加わって

次第に打ち解けるようになる

やがてエヴァはクリーブランドへ移り

その一年後

ウィリーとエディは彼女に会いに行く

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再会した3人は

クリーブランドからフロリダへと

気ままな旅に出る…

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何もせず

ただボーッと過ごすのみの

退屈な日常

気ままというより

怠惰な風情

タバコを吸うか

トランプをするか

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競馬をやるか

たまに音楽を鳴らして部屋で踊るか

(がなり声の歌が味があります)

劇中

ほぼ何もしない

ホントに

何も起きない…

従妹と恋仲になることもなく

でもまあ

ほんの微かな

感情の交感が

垣間見えますかね

よくよく

現代の

情報が氾濫した社会

スマホが手放せない日常

ダイパとか

効率を求め

目標を設定して

あくせく生きることをよしとする

世の風潮と

真逆のベクトルで

目的もなく

だらだらと

無為に過ごす若者たち

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って

冬のクリーヴランドの

なんとまあ

寒々しいこと

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せっかく湖を見にきたのに

霧で真っ白で

何も見えない…

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さらに

クリーヴランドから

フロリダへ来たものの

やはり何もない

ここは決して

パラダイスなんかじゃない…

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ふと

ニューヨークのみならず

他のどこへ行っても同じ風景

後のインターネットによる

ボーダーレス社会を待つまでもなく

彼らは

旅人

いわば

ストレンジャー

定住志向によらず

どこまでも

異邦人的

ボヘミアン的

…な感性を有しています

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う〜ん

ジャームッシュの

この感覚は

まさに

80年代当時のアメリカ

…のみならぬ

現代の若者が抱く

リアルな感覚で

そうした現実感が

フィルムの端々に

生々しく映し出されています

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刺激と快楽を求めるも

そんなものは

どこにも見当たらない…

よくよく

無意味な会話

行き当たりばったりな行動

どこまでも退屈な日常が

殺風景な風景とともに横たわっています

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フィルムに刻印される

奇妙な空気感

オフビートなテンポ

ワンカットによる長回しで捉えた

モノクロの映像

カットとカットの合間に

黒味を入れることによって

生まれる独特のリズム

シンプルを極めた会話と展開そのもの

う〜ん

この

まことミニマルな演出を通して

ほのかに漂う

詩情…

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空虚な現実を捉えた映像の

なんとまあ

豊かな味わいでしょうか

あらためて

ジャームッシュが本作で試みたこと

それは

物語の起承転結や

ドラマの抑揚、カタルシスがなくても

映画は成立するということ

つまりは

ストーリーの面白さではなく

単調な日常に流れる

リアルな空気感を映し出すこと

そのものに

面白さを見出すという

視点の提示です

ここにこそ

本作の革新性はあるのです

さらには

莫大な費用をかけたエンタメ映画が

世界の市場を席巻する

そんな世の風潮に対する

明確なアンチの姿勢

つくづく

低予算でも映画は創れるという

ジャームッシュに垣間見える

このたしかな反骨精神…

って

そんなこんな

不思議な余韻を残して

映画は終わりを告げます

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というわけで

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』

いやあ

なんて秀逸な視点でしょうか

ジャームッシュの詩的な感性が

作品のもつ

現代的な空気感と

見事に融合した

稀有な映画

あらためて

これは必見

オススメです

おまけ

ジャームッシュの作品について

以前書いた記事です

◎『パーマネント・バケーション』→こちら

◎『コーヒー&シガレッツ』→こちら

◎『パターソン』→こちら

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