映画『アレックスinワンダーランド』
つくづく
世の中には
日本未公開でDVD化もされず
世間にまったく知られていない
いわゆるアングラでカルトな映画が
う〜ん
実に厳然と存在しているものです
しかもそれが意外に豪華キャストだったりするので
ホント不思議ですね
何か他に
地下に潜らざるを得なかった理由でもあるのでしょうか?
ということで今回は
僕が知りうるかぎりにおいて
これは
とオススメの
かなりカルト度の高いレアな一本をご紹介
1970年製作
…というから
僕と同じ歳だ
かれこれ半世紀前に作られたアメリカ映画
名匠、ポール・マザースキー監督の
『アレックスinワンダーランド』
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『アリスinワンダーランド』ではありませんよ
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デビュー作が成功した後
次作が実を結ばず
次第にジレンマに陥っていく
若き映画監督のあり様を
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過去や未来、幻想や妄想を織り交ぜながら
自由奔放に描いた野心作です
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新進気鋭の映画監督アレックス役に
特異な風貌でユニークな存在感を放つ
ドナルド・サザーランド
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妻役には『アリスの恋』の名女優
エレン・バースティン
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そしてなんと
イタリアの巨匠
あのフェデリコ・フェリー二監督が
本人役でカメオ出演
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貴重なシーンですね
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さらには
フランスの名女優
ジャンヌ・モローも本人役で出演
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歌声も聴かせ
印象深いシーンを残しています
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と
本作は
フェリーニが出演している点からしても
これはもう同じテーマの
フェリーニの代表作
『8 1/2 』(1963)を
容易に想起させまして
どうやら
マザースキー監督がデビュー作
『ボブ&キャロル&テッド&アリス』(1969)
を発表した後
次作のアイデアが湧き上がってこない
自身の創作上の苦悩を
この映画はまんま投影しているとみて
間違いなさそうですね
そこらへんは
かなりわかりやすいかな
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とまあ
つまり本作は
アレックスによる
いわば“心の遍歴”を視覚化した映画なわけですが
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そのテイストは
たぶんにサイケでスピリチュアルでして
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ヒッピーカルチャーのこれ産物ですね
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さらに
アレックスの創作意欲は
どんどんエスカレートしていき
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街の騒乱と弾圧のカオスを
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ドキュメンタリータッチでリアルに
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またシンボリックに映し出します
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ふと
こちらは夢のシーン
ド・ブロカの『まぼろしの市街戦』(1966)のような
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シュールで倒錯的なワールドが展開
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…かと思いきや
一転
デ・キリコの絵画を彷彿させる
不気味な静寂が広がる悪夢が顕現
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やがて
フェリーニ的ノスタルジーのイメージへと帰結します
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う〜ん
こう書くと
どうにも二番煎じといいますか
パクリ的な要素満載の感が否めないといいますか
おそらくマザースキー監督は
当時よっぽど悩んでいたのかもしれませんね
でも
次々と映し出されるパワフルで
支離滅裂なビジュアル表現は
これはこれで
なかなかどうして見応えがあって
いやあ
僕的には
むしろ全然ありかな
というわけで
僕にとっての
カルト中のカルトな一本ですね
って
でも決しておススメなわけではありませんので
あしからず…
おまけ
1976年製作のイタリア映画
『カサノバ』
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ご存じ
サザーランドを主演に起用した
フェリーニの怪作ですが
フェリーニとサザーランドは
上記の『アレックス…』が縁で
『カサノバ』に結実したのかも
…しれませんね
つくづく
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