映画『ハピネス』

2007年の韓国映画

『ハピネス』

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 監督は『八月のクリスマス』など

恋愛映画の名匠として知られる

ホ・ジノ(1963-)

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いやあ

もう勝手に涙が出てきちゃうんですよね

ソウルでクラブを経営するヨンス(ファン・ジョンミン)

長年の不摂生がたたったのか肝硬変を患い

しばらくの間

田舎の療養所に入ることになる

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そこで彼は

幼い頃から重度の肺疾患を抱えている

ウニ(イム・スジョン)と出会い

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互いに惹かれ合った二人は

自然と恋人関係になる

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やがて二人は療養所を出て同居を始める

田舎の家で過ごす

穏やかで満ち足りた日々

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ウニのおかげで

すっかり健康を回復したヨンスだが

そうなってくると今度は

次第に今の生活が飽き足りなくなり

元カノの誘いも手伝って

以前の刺激的な生活に戻ることを

求めるようになり

ある時

ヨンスは

ウニに対する良心の呵責を

酒の勢いに任せて封殺し

そして

残酷な本音を吐露

翌朝、家を出て行ってしまう

絶望のあまり

自ら肺を苦しめる行為に及び

悲嘆に暮れるウニ

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男がとった不誠実な行動に

弁明の余地も

ましてや同情のかけらもないことは

言わずもがなであることが前提で

なお

う〜ん

正直、男の気持ちが

わからなくもないんだよなぁ

思わず逃げ出したくなるような

とても自分には責任を負えない

というような

どこか後ろ向きな本心

1ミリの言い訳もできない

ある種

潔いまでの

ズルさ

つくづく

男って

本質的なところで

逃げる生き物なんですよね

とまあ

ただひたすらもう

男が悪く

女が可哀想な

シンプル極まりないストーリー展開ながら

しかし

本作の真意はそこにとどまりません

映画は

四季折々の豊かな自然とともに

ドキュメンタリーのようなリアルな風情を映し出し

そうした中で醸し出される

この溢れる詩情

ヨンスとウニが過ごす

至福のひととき

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時折、垣間見せる

えも言われぬ昂揚

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つくづく

移ろいやすい感情

いつ果てるともしれない命

つまるところ

映画は

先のことを問わず

つかの間の

いや

一瞬の中に永遠を見るかのように

2人が心通わせる様を

今この瞬間に感じる幸福を

フィルムに刻み込んでいきます

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都会で再び

元の自堕落な生活に明け暮れるヨンスだが

程なくして持病が再発

そんな折

ウニの病状が悪化したという話を聞き

急きょ病院に駆けつける

病床のウニと久々に対面するヨンス

呼吸器でかろうじて息を継ぐ苦しそうなウニが

ヨンスに気づいたときに見せた

嬉しそうな顔

恨みやわだかまりを全く感じさせず

涙を滲ませながら

本当に幸せそうな表情を浮かべます

(おっと

すっかりネタバレご免ですね…)

映画は

ウニが息を引きとり

ヨンスがしんしんと降りしきる雪の中

再び療養所を訪ねるところで終わります

後悔してもしきれない

ウニが見せた表情、そして死に接し

どこか罪の意識や

ある種、業を背負う覚悟

さらには幸せの意味に気づかされたような

そんなヨンスの後ろ姿を捉えた

象徴的なラストシーン

自ずと深い余韻に包まれます

というわけで

いやあ

余計なセリフを排し

あくまで淡々と進行していきながら

しっかし

なんとまあ

豊かな情感が画面の端々に溢れ

様々な想像に思いを巡らせることができましょうか

韓国映画が世界をリードする所以ですね

というわけで

主演2人の絶妙な名演も相まった

切なくも豊穣なラブストーリーの傑作

必見です

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