映画『シッコ』

自らの突撃取材でお馴染み

マイケル・ムーア監督の

2007年製作のドキュメンタリー

『シッコ』

↓↓↓

皆さんはアメリカに

日本でいう国民健康保険のような制度が

ないということをご存知ですか？

いわゆる“国民皆保険”という

日本では当たり前にあるものが備わっていない

アメリカ社会の理不尽さを

いろんな人の事例を紹介しながら

赤裸々に暴露していきます

いやあ

ショッキングな内容でしたね

アメリカでは保険は

全て民間の会社でまかなわれていて

まず低所得者層や病を抱えている何千万人が

入りたくても入れない…

そしてかわいそうなのが

せっかく高い保険料を払って入っても

いざ適用の段階になると

過去の病気を蒸し返されるなど

高い審査基準によってはね返されるケースが

相次いでいるという現実です

結果的に保険会社の利潤が高く

薬の価格も高いままで流通され

治療費が高くて施しを受けられないままの人が

増えているという状況なのです

う～ん

ちょっと考えられないですね…

ムーア監督はこのアメリカの医療問題に

お得意の毒のあるユーモアで

鋭く切り込んでいきます

この人、例の巨体に

野球帽とジーンズの

典型的な中流アメリカンスタイルで

いつものっそりしてるのですが

なかなかどうして

見かけとは裏腹に

チョー左寄り

…ラディカルです

映画はとにかく畳みかけるような

情報の速射砲

次から次へと洪水のように押し寄せる映像とナレーションに

いささか閉口しつつ…

僕は正直この人の映画のポップなノリが

個人的にどうも苦手です…

まあ

悲惨な話をお涙頂戴で染めず

前向きな行動に結びつけようする

彼なりの矜持の表れととらえたいですが…

なんか考える余地を奪われるような気がして

ちょっとあざとい気がします

まあでも実際観てて飽きないし

特にこの『シッコ』は

テーマも明瞭で

わかりやすいですね

それにしても

9.11同時多発テロの話は衝撃でした

あの災害に参加した民間のボランティアの多くが

救助活動が原因で呼吸器疾患にかかり

にもかかわらず

国家公務員ではないという名目で

治療費が支給されないという現実…

ムーア監督はこの問題にスポットを当てながら

ラストになんともブラックな結末を用意します

まあいずれにしても

普段メディアなどで

目にしたり

耳にしたり

したことだけが事実ではないということを

この映画は

気づかせてくれます

是非とも必見です