『パラダイムの魔力』
初版が1995年なので
ちょっと古い本ですが
なんのなんの
20年が経ってもなお
ロングセラーとして読み継がれている
ビジネス書です
↓↓↓
本書では
冒頭に将来の3つのキーワードとして
・先見性
・イノベーション
・卓越
を挙げ
そのための重要な視点
本書のテーマである
「パラダイム」
について
豊富な事例とともに詳述しています
あらためてパラダイムとは
ルールと規範であり
①境界を明確にし
②成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるもの
とありますが
往々にして
パラダイムが諸刃の剣になりうる
という指摘が興味深いですね
強力なパワーを発揮するパラダイムによって
人々は情報を取捨選択し
問題解決し将来を予測しうるものの
次第に既存のパラダイムでは
解決できない問題が表れ出し
そうしてやがて
未来を予見するパワーが失われていきます
しかし過去の栄光や成功体験にとらわれるあまり
文字通り
旧来のパラダイムのままの思考に縛られるあまり
次なる時代を見据えた大胆な策を講じることが
これがなかなかできない
つまりは
パラダイムシフトの遅れです
とまあ
こうしたことの実際の企業のエピソードが
とても興味深い
と本書では
何もいち早くパラダイムシフトをする必要はなく
パラダイムの開拓者になればいいと説いています
そしてパラダイムを開拓するのが
最も得意な国
つまり他国のパラダイムシフトを取り入れ
そのアイデアを商品化するのが
最も得意な国として
日本を挙げています
かつて日本が他国によるパラダイムシフトを
いち早く吸収し
それを商品化し
市場を制覇してきた事例が
これまた豊富に紹介されています
いやあ
日本てやっぱり凄いですね
日本が世界を席巻するに至った秘訣
それが総合的品質管理(=TQC)
上述のキーワードの“卓越”に当たります
例えば
トヨタの製造工程における“カイゼン”
改良に改良を重ねていくことで
それがやがてイノベーションへと飛躍していく
このシンプルにして革新的な手法です
本書の中で
自動車のエアバッグが商品化される事例が
紹介されているのですが
エアバッグって
元々手榴弾のメーカーによる
アイデアだったんですね
手榴弾の技術を応用し
衝突時にエアバッグが膨らむよう開発したのですが
自動車メーカーは
当初ほとんどまともにとり合ってくれなかったそうです
しかしジャガーとトヨタが興味を示し
例えばエアバッグが
うまく作動しなかったのが原因で訴訟される
なんて事態に陥らないよう
トヨタが改良に改良を重ねて
完璧なレベルまで持っていく
云々かんぬんなど
いやあ
とても面白いです
ところでパラダイムシフトすると
今まで蓄積されてきた技術やノウハウは
いったん無に帰す
といいますか
振り出しに戻ることになる、と
でもそれで落胆していちゃダメ
本書では現在のパラダイムが
盛んに問題を解決している時こそ
次のパラダイムの萌芽が始まっていて
決してパラダイムの停滞期ではない、と
そしてリーダーについて
以下のように定義しています
「人々がみずから進んでは行こうとしない場所に、人々を導くのがリーダーである」
さらに
「管理はパラダイムの中で行なうもの
パラダイムの間を導くのがリーダー」
と管理者とリーダーのパラダイムを位置づけています
う~ん
実際のところ
既存のパラダイムを捨て
新しいパラダイムを取り入れるのは
とても勇気のいること
リスキーです
でもそれを決断するのが
リーダーの役目なんですね
いやあ
なんともかんとも
本書を読んでいて
何かと胸に痛いことばかりで
まさにいま僕らの業界は
新しいパラダイムシフトが求められて久しいですね
あらためて
自分の仕事は何か?
将来が明るい業界にするにはどうすべきなのか?
まさに待ったなしですね
つくづく身につまされた次第です
というわけで
オススメの本です
この記事へのコメントはありません。