『パラダイムの魔力』
- パラダイムの魔力 新装版/ジョエル バーカー
- ¥1,512
- Amazon.co.jp
- 初版が1995年なのでちょっと古い本ですが
- なんのなんの
- 20年が経ってもなおロングセラーとして読み継がれているヒジネス書です
- 本書では冒頭に将来の3つのキーワードとして
- ・先見性
- ・イノベーション
- ・卓越
- を挙げ、そのための重要な視点
- 本書のテーマである
- 「パラダイム」
- について豊富な事例とともに詳述しています
- あらためてパラダイムとは
- ルールと規範であり
- ①境界を明確にし
- ②成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるもの
- とありますが
- 往々にしてパラダイムが諸刃の剣になりうるという指摘が興味深いですね
- 強力なパワーを発揮するパラダイムによって
- 人々は情報を取捨選択し
- 問題解決し将来を予測しうるものの
- 次第に既存のパラダイムでは解決できない問題が表れ出し
- そうしてやがて未来を予見するパワーが失われていきます
- しかし過去の栄光や成功体験にとらわれるあまり
- 文字通り旧来のパラダイムのままの思考に縛られるあまり
- 次なる時代を見据えた大胆な策を講じることが
- これがなかなかできない
- つまりはパラダイムシフトの遅れです
- とまあこうしたことの実際の企業のエピソードがとても興味深い
- と本書では何もいち早くパラダイムシフトをする必要はなく
- パラダイムの開拓者になればいいと説いてます
- そしてパラダイムを開拓するのが最も得意な国
- つまり他国のパラダイムシフトを取り入れ
- そのアイデアを商品化するのが最も得意な国として
- 日本を挙げています
- かつて日本が他国によるパラダイムシフトをいち早く吸収し
- それを商品化し市場を制覇してきた事例がこれまた豊富に紹介されています
- いやあ
- 日本てやっぱり凄いですね
- 日本が世界を席巻するに至った秘訣
- それが総合的品質管理(=TQC)
- 上述のキーワードの“卓越”に当たります
- 例えばトヨタの製造工程における“カイゼン”
- 改良に改良を重ねていくことでそれがやがてイノベーションへと飛躍していく
- このシンプルにして革新的な手法です
- 本書の中で自動車のエアバッグが商品化される事例が紹介されているのですが
- エアバッグって元々手榴弾のメーカーによるアイデアだったんですね
- 手榴弾の技術を応用し衝突時にエアバッグが膨らむよう開発したのですが
- 自動車メーカーは当初ほとんどまともにとり合ってくれなかったそうです
- しかしジャガーとトヨタが興味を示し
- 例えばエアバッグがうまく作動しなかったのが原因で訴訟される
- なんて事態に陥らないよう
- トヨタが改良に改良を重ねて完璧なレベルまで持っていく
- 云々かんぬんなど
- いやあ
- とても面白いです
- ところでパラダイムシフトすると
- 今まで蓄積されてきた技術やノウハウはいったん無に帰す
- といいますか
- 振り出しに戻ることになる、と
- でもそれで落胆していちゃダメ
- 本書では現在のパラダイムが盛んに問題を解決している時こそ
- 次のパラダイムの萌芽が始まっていて
- 決してパラダイムの停滞期ではない、と
- そしてリーダーについて以下のように定義しています
「人々がみずから進んでは行こうとしない場所に、人々を導くのがリーダーである」
さらに- 「管理はパラダイムの中で行なうもの
- パラダイムの間を導くのがリーダー」
- と管理者とリーダーのパラダイムを位置づけています
- う~ん
- 実際のところ既存のパラダイムを捨て
- 新しいパラダイムを取り入れるのは
- とても勇気のいること
- リスキーです
- でもそれを決断するのがリーダーの役目なんですね
- いやあ
- なんともかんとも
- 本書を読んでいて何かと胸に痛いことばかりで
- まさにいま僕らの業界は
- 新しいパラダイムシフトがもう求められて久しいですね
- 自分の仕事は何か
- 何をならなくてはならないのか
- 将来が明るい業界にするにはどうすべきなのか
- まさに待ったなしですね
- つくづく身につまされた次第です
- というわけで
- あらためてオススメの本です
この記事へのコメントはありません。