映画『地獄の黙示録』
1979年公開のアメリカ映画
『地獄の黙示録』
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監督はご存じ
フランシス・フォード・コッポラ(1939-)
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ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』を原作に
物語の舞台をベトナム戦争に置き換えて描いた
リアルで
それでいて観念的な
戦争叙事詩です
冒頭
ナパーム弾の猛威が
ベトナムの大地を焼き尽くす様を捉えた映像の
この
目を見張る美しさ
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ヴィットリオ・ストラーロのカメラが捉えた
あまりに鮮烈な光景
倒錯的、逆説的なまでに美しい
人類の蛮行…
スペクタクルとしての戦争=映画という視点
何より
全編にわたって散りばめられた
“地獄”のイメージ
そして
“黙示録”的なメタファーの数々
…
ドアーズの『ジ・エンド』
LSDによる幻覚
ワーグナーの『ワルキューレの騎行』に乗せた編隊群
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ロバート・デュバル演じるサーフィン狂の中佐
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プレイメイトの慰問団への異様な熱狂
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大河を遡行する哨戒艇
見えない敵
死体の数々
リアルヤク中のデニス・ホッパー
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ようやく辿り着いた
カンボジアの王国
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その王国の主
カーツ大佐
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やがて決行される
ウィラード大尉によるカーツ暗殺
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鋭利な刃のようなマーティン・シーン
あらためて
諦念漂うカーツを演じた
マーロン・ブランドの神話的なまでの存在感
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東西の互いに相容れぬ価値観
殺牛の儀式
そして
カーツの死
闇
…
と
う〜ん
本作は
全編がこれ
コッポラによる
どこまでも独りよがりで前のめりな
地獄絵図の表出ながら
しかし
その映し出される映像の
何という魅惑的なまでの強度
絶望的なまでの美しさでしょうか
つくづく
地獄とは何か
数々のメタファーで散りばめられた
イメージの連鎖から
おのずとあぶり出される
恐怖…
…
というわけで
ふと最後に
まったく別の本からの抜粋です
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蜂谷道彦『ヒロシマ日記』より
…
原子雲を見た広島の人の、素朴な言葉ー
あの時、大きな雲がむくむくあがって、その両脇へ金屏風を拡げるように、何ともいえぬ綺麗な雲が拡がってゆくんです。
あの赤とも黄ともいえぬ綺麗な雲は何ともいえん綺麗でしたよ。
広島の上へ大きな扇を拡げるように順々に拡がって行きましたよ。
快晴の空に、キチンと線を引いたように切れ、それが…
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