カポーティ『草の竪琴』
旅のお供に
カポーティ再び…
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自伝的要素の濃い
カポーティの長編小説第二作目
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『草の竪琴』
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と
以下
本文より一部抜粋
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…風が巻き起こり、木の葉を落とし、夜の雲をきれぎれに吹き散らした。
星の光が降り注ぐようだった。
ろうそくの炎は、突然開かれた星の燦めく大空からの白光に怯えたかのように、震えおののいた。
見上げると、星空には冷ややかな冬の月がかかっていた。
雪ひらのような薄い月に、遠く近く、生き物が呼びかけていた。
背の丸い、月のような眼をした蛙や、鋭い啼き声の山猫たちが呼びかけていた。
キャサリンは薔薇色のキルティングの上掛けを取り出し、ドリーにくるまるようにと言った。
それから僕を抱え、彼女の胸に頭が落ち着くようにしてくれた。
寒い?
彼女は尋ねた。
僕は体を動かして、彼女にぴったり寄りそった。
あの古い台所のように気持ちよく暖かい体だった。
…
身寄りのない少年と遠縁の姉妹3人による
ムクロジの木の上にある
“樹の家”での
つかの間の暮らしぶりを
叙情的に綴ったこの作品は
幼くして孤児となり
南部の親戚の家を転々とした
カポーティ自身による
いわば
少年の頃の心象風景です
本文に出てくる姉妹は
実際にカポーティが預けられ
世話をしてもらった年上の従姉が
元になっているようで
彼の
この従姉に対する深い愛情の念が
本小説のベースを貫いていて
いやあ
そうした思いを
本文の端々で見てとることができますね
というわけで
おまけ
トルーマン・カポーティ(1924-1984)
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