映画『ホーリー・マウンテン』

強烈極まりないビジュアルです

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1973年製作

メキシコ、アメリカの合作

『ホーリー・マウンテン』

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監督はチリの鬼才

アレハンドロ・ホドロフスキー(1929-)

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『エル・トポ』(1970)以来

世界中に熱狂的なファンを有し

御年88歳にして今だ創作意欲が衰えず

今もなお刺激的でパワフルな作品を

発表し続けているカルトの帝王です

彼は詩作、舞台演出、パフォーマンス

そして映画製作やコミック創作など

多岐にわたる表現活動を行う一方で

東洋哲学や神秘主義に傾倒し

特には

タロット・リーディングの専門家として知られ

そこからさらに飛躍して

サイコマジックなる

独自の心理療法を考案し

その実践・普及に励んでいるという

まあ

筋金入りの

スピリチュアルなアーティストと言えましょうか

そんなホドロフスキーの源泉とな

魔術的な世界観、宗教的なビジョンが

イマジネーションとして爆発した作品がこれ

錬金術師と9人の弟子たちが

不老不死の秘法を得るため

厳しい修行を経て

賢者たちが住む聖なる山(=ホーリー・マウンテン)を目指す

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って

しっかしホント

一体何て説明すればいいのでしょう

自由奔放

奇想天外

荒唐無稽

観る者の意識を覚醒させるべく()

目の前に延々映し出される

奇怪で異様な映像の数々

冒頭からもうすごいです

裸の子供たちに抱えられ

十字架に磔になった盗賊が

何とか難を逃れるも

途中、軍による虐殺の光景に遭遇し

皮を剥がれて磔にされた動物たちや

鎧を身にまとったヒキガエルたち

爆発で吹き飛ぶカエルやカメレオンなどなど

あくまで寓話として

現実を皮肉った描写ながら

尋常ではないグロテスクな映像が

洪水のように溢れ出てきます

様々な紆余曲折を経て

盗賊がたどり着いた奇妙な塔

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そこで出会った

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謎の錬金術師

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導師である錬金術師を演じるのは

かのホドロフスキー監督自身

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そこで繰り広げられる奇妙奇天烈な儀式の数々

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そして盗賊も含めた9人の弟子たちを従え

不老不死の秘宝を求めて

厳しい修行に励んでいきます

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とまあ

エロ、グロ、ナンセンスに

タブーのない

サイケで狂気に満ちた混沌の世界

ハハハ

正直かなり絶句です

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が、しかし

何といいましょうか

醜悪な映像のオンパレードにもかかわらず

思わず抱いてしまう

ある種の陶酔、眩惑

どこかフェリーニの映画にも相通じる

その圧倒的に独創的な映像体験

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いやあ

ラテンアメリカの伝統である

マジック・リアリズムを体現する

この卓越したビジュアルセンスは

素直にすごいです

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聖なる山を前に

それぞれ賢者たちから厳しい洗礼を受けた後

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ラスト

「これは映画だ」

「現実に戻ろう」

すべてを無に帰すエンディングの妙

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いやあ

つくづくこういう映画

大好きなんですよね、僕

というわけで

あらためて本作は

ホドロフスキー魔術が全開した恐るべき傑作です

おまけ

やはりこちらも、ね

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言わずと知れた伝説のカルト作です


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