映画『誤発弾』

つくづく

歯の治療っていやですね

何がこわいって

治療中、口の中で

一体全体

何が行われているのか

皆目見当がつかないところでしょうか

キーン

ガガガッ

ウィーンウィーン

ゴツゴツゴツ

目も覆われて

聞こえてくる金属音が

不安感をいたずらに助長します

う~ん

石を削って加工しているような感じですかね

そして麻酔しているにも関わらず

時折、神経に触れてしまい

(これがなんとも痛い…)

その度ごとに鈍痛に身悶える

さらには口自体も大きく開け続けていると

だんだんと

顎のあたりがおかしくなってきて

痛いし

苦しいし

行われている事態に対する

情報量が少な過ぎて

不安に苛まれ

時間の経過とともに

ホントもうどうにかなってしまいそう

程なくして

「はい、うがいして下さい」

ふぅ

麻酔で感覚がなく

自分でもよくわからなくなった歪んだ口に

水を含み

ようやくひと息

って

それから間髪入れず

さあて再開

いやはや

そんな一連の繰り返しに臨む

今日この頃です

ふと

そういえば

歯が痛い男が主人公の

古い韓国映画を思い出しました

1961年製作の

『誤発弾(オバルタン)』

↓↓↓

IMG_9969.jpeg

監督ユ・ヒョンモク(1925-2009)による

韓国が誇る屈指の名作です

1950年代の

朝鮮戦争後の韓国を舞台にした本作は

同じ民族同士が殺し合うという不条理の末

社会全体に蔓延するに至った

虚無感

自己喪失感

精神的代償を

どこまでも暗いトーン

絶望的なストーリー展開で描いています

↓↓↓

IMG_9970.jpeg

主人公は生きる意味を見出せず

いわば歯痛という

肉体的代償をもってしか

生きている実感を得られない

そんなやるせない心情を陰鬱に表現

↓↓↓

IMG_9968.jpeg

いやあ

あらためて

すごい映画でした

というわけで

そう

つまるところ

この歯の痛みは

生きている証(!)

って

ハハハ

歯ぁ~

こりゃあかんわ

(でも治療はいたって順調です)

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。