映画『海獣の子供』
先日
子供たちと観てきました
ただいま上映中です
漫画家・五十嵐大介のコミックを
渡辺歩監督がアニメ映画化した
『海獣の子供』
↓↓↓
夏休みに、中学生の少女・琉花が
ジュゴンに育てられたという
少年たちとの出会いをきっかけに
不思議な体験をするというお話
…ですが
いやあ
しっかし何とまあ
海を始めとしたアニメーション映像の
この目を見張る美しさでしょうか
劇中のセリフで
人間はこの世の中で起こっていることの
ほんの1割しか知覚できない
それはつまり
ほとんどわかっていない
ということだ、と
う〜ん
つくづく
人間は
傲慢であってはならない
どこまでも自然の一部に過ぎない
…と
その一方で
やはり自然とは違う
何より理性、知性の持ち主
本作は
理性と
本能
特には海における
いわば獣性との
激しいせめぎ合いを
イマジネーションに富んだビジュアルで
情感豊かに描いていきます
主人公の中学生・琉花が辿る
ある種、自然への回帰
その抗いがたい強烈な磁力
人間の原初の姿
ジュゴンに育てられた少年・海、兄の空との交流を通して
自身の中に眠っていた獣性が目覚め
やがて一気に解き放たれます
と
三人の出会いをきっかけに
地球上で様々な現象が発生
夜空から隕石が海へ堕ち
海のすべての生き物が
日本に集い始める
象徴的なザトウクジラの威容
そして観る者の想像を絶する
“祭り”のとき
いやあ
何とまあ豊穣なまでの
ビジュアル表現でしょうか
正直
一緒に観ていた子供たちのことを忘れて
大人の僕らが
未知なる映像表現に完全に打ちのめされ
その魅惑の世界観に
すっかりと酔いしれた次第です
う〜ん
これは多感な少女によるひと夏の体験
という成長物語
であると同時に
生命の循環
いわば輪廻転生
…を描いていると捉えることもでき
観る者によって様々な解釈が可能な
自由で開かれたスタイルの映画ゆえ
少なからぬ戸惑いを覚えるかもしれませんが
なんのなんの
己の内なる声に従って
ただ感じるがままに観ればよし
子供たちも
その驚異の映像表現に
単純に夢中になっていたように思います
というわけで
本作のキャッチフレーズ
“一番大切な約束は言葉では交わさない”
が胸に沁みる
これはまぎれもない傑作
おススメです
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