映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』

いやあ

10年に1本出るか出ないかの傑作ですね

ただいま上映中の映画です

2019年製作

コロンビアはじめ複数国による合作

MONOS 猿と呼ばれし者たち』

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公式サイトはこちら

監督は

エクアドル人の父とコロンビア人の母をもつブラジル生まれの

アレハンドロ・ランデス(1980-)

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この監督は今後要注目ですね

建築にも造詣があるそうで

恐るべき才能を予感させる若き俊英です

しっかしすごい映画でした

以下、ストーリーをサイトより転載

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時も、場所も、定かではない世界のどこか

《猿》と呼ばれた8人の若き兵士がいた

世間から隔絶された山岳地帯で暮らす8人の兵士たち

ゲリラ組織の一員である彼らのコードネームはモノス=猿)

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「組織」の指示のもと

人質であるアメリカ人女性の監視と世話を担っている

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ある日、「組織」から預かった大切な乳牛を仲間の一人が誤って撃ち殺してしまったことから不穏な空気が漂い始める

ほどなくして「敵」の襲撃を受けた彼らはジャングルの奥地へ身を隠すことに

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仲間の死、裏切り、人質の逃走

極限の状況下、モノスの狂気が暴走しはじめる

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って

何なんでしょう

この得体の知れない空気は

つくづく

映し出される映像から放たれる

強烈なエネルギー

それは

危険で、野蛮で、純粋で

狂気に満ち満ちていて

そして

う〜ん

なんて美しいんでしょうか

冒頭の、天空の楽園のごとき

山頂でのシーンから始まって

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映画は全編

ワンシーン、ワンショットに至るまで

目を見張るほどの強度を有しています

本作は50年以上続いたコロンビア内戦を背景に

しかし特定の時代や場所を想起させない

あくまで架空のドラマです

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モノスと呼ばれる少年少女たちが

厳しい訓練や任務の合間に

無邪気な遊びに興じる様の

なんとまあ

異質なムード

ほとばしる熱気

沸々と垣間見える狂気

理性の及ばない

その土俗的で根源的な姿に

いまだかつて観たことのない

ある種の戦慄を覚えます

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音楽のミカ・レヴィによる

シンセサイザーなどを取り入れた

幻惑的なサウンドが

不穏なムードをいっそう助長

異世界に誘われるような奇妙な錯覚に陥り

やがて観る者は

画面を覆う強烈な磁力によって

えも言われぬ没入感に囚われます

いやはや

無垢なる存在としての少年少女たちは

人間というよりはむしろ

野生動物に近く

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常に獣性を帯びた危うさをはらみながら

未熟な年頃の彼らの

いわば感情のバルブが思わぬ形で暴発し

やがて隊が崩壊していく

このプロセスの異様

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前半の

岩山の多い荘厳な山岳地帯と

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後半の

鬱蒼と生い茂るジャングル

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という対照的な場所を舞台に

映画は

静と動

理性と野性

文明と未開

ファンタジーとリアル

などなど

様々な相反する要素を内包し

時に激しく拮抗し合いながら進行し

観ている側は

そのどこへ収束するともしれない行方を

ただ固唾を飲んで見守るほかありません

と終盤の

濁流に飲み込まれながら

凄まじいスピードで泳ぎ下っていくシーンの迫力たるや

もう圧巻の一語でしたね

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つくづく

神秘的で豊潤な

これはたぶんにラテンアメリカの持つ

原始性、多様性に起因し

う〜ん

いよいよ西洋の論理では括れない

多元的価値観が求められる時代になったなぁ

と、しみじみ実感

個性豊かなモノスのメンバーの中で

ひときわ存在感を発揮するキーマンの1

ランボーの中性的な魅力

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ランデス監督いわく

本作はウィリアム・ゴールディングの『蝿の王』と

ジョセフ・コンラッドの『闇の奥』に着想を得ているそうで

如実に窺い知れますね

またキューブリックの『2001年宇宙の旅』や

ヘルツォークの『アギーレ/神の怒り』なども想起させ

本作が普遍性を獲得しうる稀に見る傑作であることを

あらためて確信する次第です

というわけで

MONOS 猿と呼ばれし者たち』

これは必見です

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