映画『コーヒー&シガレッツ』
2003年のアメリカ映画
『コーヒー&シガレッツ』
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監督・脚本は
ジム・ジャームッシュ(1953-)
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『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)や
『デッドマン』(1995)などなど
いやあ
この人はなんだかんだ
その独特の世界観で
独自のポジションをキープし続ける
まさにアメリカ・インディーズの雄ですね
と本作は
監督が
“コーヒーとタバコ” をテーマに
18年に渡ってコツコツと撮りためた
11話にのぼるショート・フィルムを
1本にまとめた短編集です
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コーヒー(時に紅茶)をすすり
タバコをふかしながら
とりとめもない会話に終始するだけの
このシンプル極まりない構成ながら
う〜ん
これがなんとも味わいがあって
面白いんですよね…
何より
出演者たちが豪華な顔ぶれで
皆、実名で登場しています
中でも出色なのが
第3話「カリフォルニアのどこかで」
イギー・ポップとトム・ウェイツ
というレアなキャスティング
曲者ミュージシャン2人の本音と建前が
絶妙な間合いで映し出されて傑作です
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おっとこちらは
第2話「双子」
スパイク・リーの実の弟と妹の双子の間に
唐突に割って入り
マシンガントークを炸裂させる
スティーヴ・ブシェーミ
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ふと
今じゃニューヨークでもどこでも
カフェやレストランでは
一般的には禁煙でしょうから
タバコを吸いながら会話に興じるモノクロの映像は
どこかひと昔前の光景で
観ていてなんとも懐かしく
インターネット全盛の
グローバル社会である今現在の
忙しない日常から見ると
映し出されるオフビートな映像と音楽は
どうにも
非合理で
非効率で
おまけに怠惰で
さらにはチープでアナログで
ドラマチックな出来事も何も起きない
日常の
いわば
ただの時間潰しで…
って
いやあ
つくづく
このダラダラ過ごすひとときの
なんとまあ
豊穣で至福なことでしょうか
コーヒーの香りから
ほのかに立ちのぼる味わいと
タバコの煙とともに漂う
独特の間…
つくづく
こういうのを文化と呼ばずして
なんと呼びましょうか
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ふと
よくよく
ある意味
このような
無駄な時間においてこそ
実は
何かが生まれる芽が宿っていて
う〜ん
まさに本作に流れる映像や音楽の端々から
そのクリエイティブでイマジネーションに富んだ空気を
如実に実感させられるところです
が
いやいや
あまりそう生真面目に捉えるのも
むしろ野暮で
ジャームッシュは
ただ純粋に
無為に
意外なキャスティングの妙による
セッションを愉しむ
それ以上でもそれ以下でもない
そこに生産性や向上心
ある種の意味、意義を
なんら求めない
さらに言えば
本作は
時流には容易に与しないという
ジャームッシュのまぎれもない
これ密かな
反骨の表れでもあるわけですね
第10話「幻覚」
ウータン・クランのGZAとRZAが
健康に気を遣い
紅茶を飲みなから会話をしているところへ
突然
ウェイターとして働いているという
映画スターのビル・マーレイが登場
コーヒーをサーバーごとラッパ飲みしたりして
奇妙な空気感が醸成されます
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第7話「いとこ同士」
ケイト・ブランシェットが一人二役を演じる
異色のパート
つい引き込まれますね
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第8話「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」
いきなり共振変圧器(!)をカフェに持込み
高電圧を発生させて放電する様を眺める2人
B級SFチックな風情がたまりませんね
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と
ちなみに個人的な話ですが
僕は若い頃タバコを吸っていましたが
27歳の時にやめまして
実はタバコをやめた時に
代わりにコーヒーを飲み始めました
今でも大のコーヒー好きですが
タバコとコーヒー両方を
一緒に嗜んだ記憶はありませんで…
本作を観ていて
なんとも不健康そうで
でも観ている分には美味しそうに感じるなぁ
というわけで
『コーヒー&シガレッツ』
ジャームッシュの思想やセンス、こだわり、遊び心が随所に詰まった
ささやかな
しかし珠玉の短編集
是非ともおススメです
と
演出中のジャームッシュ監督
こちらも面白い
第9話「いとこ同士?」
アルフレッド・モリーナとスティーヴ・クーガンが最高です
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