映画『北の橋』
1981年製作のフランス映画
『北の橋』
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監督は
フランス・ヌーヴェルヴァーグの中心人物とされた名匠
ジャック・リヴェット(1928-2016)
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…
パリの街をバイクで疾走していたバチストと
刑務所から出所して間もないマリー
接触事故を起こしてしまうも
2人はその後、偶然再会
やがてマリーの恋人が持っていた謎の地図を手にした2人は
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パリを双六のように見立てた地図に従って
謎解きを開始するのだが…
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セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」をモチーフに
空想癖に取りつかれた女と
閉所恐怖症の女殺し屋の2人が繰り広げる
奇想天外な冒険譚
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ドキュメンタリーの風合いを持つ
リアルな現実の中から
ふとした拍子に
にわかに立ち上がるファンタジー
それは
放射線状に拡がるパリを
双六と符合させた謎の地図だったり
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ムショ帰りの女殺し屋の怪しげな言動だったり
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唐突に繰り広げられる空手の型だったり
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怪獣か何かに見立てた巨大な滑り台だったり
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と
そもそも
革ジャンにデニム姿のバチスト
彼女は完全にファンタジーを生きています
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風車を怪物と勘違いして突進していったドン・キホーテよろしく
パリの現実を
奇妙な異世界に見立てています
まあ彼女の言動は
はっきり言って
常軌を逸しています
…が
う〜ん
しかしなんとも魅力的なんですよね
偶然何回も出会ったマリーを守るのが
まるで自らの役目と言わんばかり
この女殺し屋マリーを助け、行動を共にします
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バチストの目には
パリの忙しない街並みが
あたかもお宝探しの迷路に
イマジネーションに富んだ妄想の世界に
映るようです
心象風景ですね
いやはや
なんとまあ魅惑の展開
まさにリヴェットのお家芸です
彼にかかると
どんな現実も
摩訶不思議な世界へと変貌を遂げてしまいますね
あらためて
マリーを演じるビュル・オジェと
バチストを演じるパスカル・オジェ
なんと2人は実の親子
おそらくはかなりアドリブも入っているでしょうね
さすが抜群のコンビネーションです
全然似ていませんが…
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そしてつくづく
即興的で
実験精神に富み
生々しいまでの演劇的な肌触りが
フィルムの端々に焼き付いていて
いやあ
リヴェットって
僕はやっぱり好きだなぁ
というわけで
『北の橋』
才人リヴェットの遊び心が
随所に炸裂した異色作です
おまけ
僕がリヴェット作品について
以前書いたブログ記事です
◎『デュエル』→こちら
こちらは
リヴェットの紛れもない最高傑作です
◎『セリーヌとジュリーは舟でいく』→こちら
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