映画『デュエル』

奇想天外

つくづく

摩訶不思議な映画です

1976年製作のフランス映画

『デュエル』

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監督は

フランス・ヌーヴェルヴァーグの中心的存在だった名匠

ジャック・リヴェット(1928-2016)

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先月末で終わったはずの渋谷でのリヴェット映画祭ですが

なんと好評につき

短期間延長されるという嬉しいおまけがありまして

先日

どうにか合間を塗って1本だけ鑑賞

日本では劇場初公開となる貴重な一作です

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現代のパリ

冬の間の四十日間だけ

地上に並存することが許される

太陽の女王と月の女王が

生存権のかかった魔法の石をめぐって

対決(=デュエル)をする

という

なんとも奇抜な設定によるファンタジーです

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パリの日常の何気ない空間に

突如現出する

シュールで異質なムード

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現実を材にとりながら

そこをたちまち

奇妙な異空間に変換してしまう

まさに魔術

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リヴェットは

特撮など用いるよしもなく

例えば

太陽と月になぞらえて

光と影

さらには鏡を多用し

特に本作では

追跡劇、争奪戦といった様相を呈し

随所にノワールな趣きを散りばめながら

特異な映像世界を創出してみせます

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さらに本来は

台本なしの即興的な演出が持ち味のリヴェットですが

本作では台本(=メモ書き)を用意し

役者たちには決められた動きを求め

様式的な佇まいによる

なかば浮世離れをしたトーンを醸成

ダンスフロア「ルンバ」での

即興的なピアノの演奏に合わせた

緩慢なテンポによる踊り

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多分に実験的な試みによって展開される

演劇的主題

役者たちの

どこまでも優雅な身振りから

垣間見える艶

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あらためて

対決する2人の女神たちが魅力的です

太陽の女王に

ビュル・オジェ

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月の女王に

ジュリエット・ベルト

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いやあ

個人的には

どちらかというと

月のベルトの方が

ただならぬ妖気をふりまいていて出色ですね

とまあ

次第に

現実と虚構の境目が曖昧となり

世界は闇に埋もれていく

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う〜ん

つくづく

なんとまあ

変幻自在で

そして魅惑に満ちた世界観でしょうか

というわけで

本作『デュエル』は

太陽と月の間を行ったり来たりと

軽やかに飛翔する異才リヴェットの

無二の映像センスによって創造された

まこと詩的美しさに溢れた傑作です

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