カポーティ『ここから世界が始まる』
旅の道連れには…
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おなじみの
カポーティ
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カポーティが思春期から青年期にかけて書いた
全14篇からなる
まさに最初期の短編集です
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未熟な習作ながら
きらめくような言葉に満ち溢れています
と
表題もよかったですが
今回は本文の中の1編
『ルーシー』より
一部抜粋
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夜遅くなって、彼女の部屋から、小さな泣き声が聞こえることもあった。ハドソン川が「アラバマ川」になってささやく。そう、アラバマ川。赤い泥水が堤防にせり上がって、細長い湿地のような支流が集まってくる。
燦然と輝く都会の灯火ー暗闇にぽつぽつ見えるランタンの光、さびしいヨタカの啼き声、長く引く夜汽車の叫びー固いセメント、ひんやりした光沢のスチール、煙、猥雑なショー、じめじめしたトンネルにくぐもって響く地下鉄の音。がたん、ごとんーざわめく緑の草ーそう、日射し、暑い、すごく暑いが、憩いもあって、裸足になって、ひんやりして、川底の砂地に丸い小石、なめらか、石鹸みたいー。
都会は、大地の子がいるところではなく、もうお帰りと母が呼んで、ああ、あたしは神の子だ。
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おまけ
トルーマン・カポーティ(1924-1984)
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