映画『ザ・セル』
表面上の姿形だけでは
決してわかり得ない
人間の本性
もっと言えば
闇の部分
まあ誰しもが
何かしら
他人には言えない
隠し事の一つや二つは持っているでしょうがね
と
その人の本質を表す部分は
本人も意識していない
おそらくは自覚できていない
いわば無意識の領域にあって
それは往々にして
眠っている時に明らかになるのかも
つくづく
一体
何に囚われているのだろう?
ネックとなっている
そもそもの原因
大元は
果たして何か⁈
というわけで
自身の思いもよらない秘密を探るべく
さあ
禁断の扉を開けて
真実の姿よ
いざ顕現
って
もうかれこれ20年以上も前に
映画館で観て以来の
久々の鑑賞でしたが
今観ても面白かったですね
映画評
2000年のアメリカ映画
『ザ・セル』
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監督は
PVやCMの演出で知られるインド出身の
ターセム・シン(1961-)
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冒頭
少年の内面を視覚化したシーン
おおっと
これは
もろダリの世界ですね
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人間の潜在意識の中に入り込んで
治療・研究を行う精神科医キャサリンのもとに
ある日
意識不明となっている猟奇殺人犯の心の中に入って
行方がわからない被害者の居所を探ってほしい
という依頼が舞い込む
そうしてキャサリンは殺人鬼の内面へと入り込むのだが
そこは想像を絶する狂気の世界だった…
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なんといっても
殺人鬼の精神世界を描いたビジュアル表現が圧巻です
イマジネーションに富んだグロテスクな事物の数々…
輪切りされた馬
さしずめ
コンセプチュアルアートの趣きですね
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不気味で不穏なキャラクター造形
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張り詰めた緊張感
ゆったりとしたテンポ
夢の中にいるような重力の曖昧な空間
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何が何だかよくわからない
アブノーマルなムードながら
しかし
めくるめく官能に満ち溢れ
う〜ん
これが目を見張る美しさです
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つくづく
ビデオクリップの製作などで培ったシン監督の
特異な美意識が炸裂したような
深層心理のビジュアル表現の
この唐突なまでの
奇怪さ、斬新さ
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現実の物語との関連が
直接的には求められないので
なおさら
己の感性に忠実に従った感の強い
そんなある面
独りよがりでもある
こだわりの映像美が
むしろこの映画の最大の魅力となっていますね
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現実においては
ガラス張りのセル(=独房)に女性を閉じ込め
溺死する姿を見て性的快楽を得る
凄惨極まりない殺人鬼が
現在の姿へと形成されるに至るプロセスや原因
いわば心の闇に閉ざされた謎を
内面世界での少年の頃の無垢な彼との交流を通して
キャサリンが一つ一つ紐解いていく過程がスリリングです
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…が
キャサリンも次第に絡め取られ
やがて現実世界に戻れなくなってしまいます…
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主演のジェニファー・ロペスが
石岡瑛子のデザインによる
数々の奇抜な衣装に身を包んで
エキゾチックな魅力全開です
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とまあ
この後の展開は
お約束の一件落着でよしとして
何より本作の魅力は
深層心理を視覚化した
キッチュで壮麗な耽美映像にあり
というわけで
『ザ・セル』
ターセム・シンの
洋の東西が融合したような
独特のセンスによる異色作
いやあ
こういうグロくて美しい映画は
個人的に嫌いじゃないなぁ
オススメです
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