映画『TENET テネット』

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2020年のアメリカ映画

TENET テネット』

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監督・脚本は

鬼才、クリストファー・ノーラン(1970-)

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ウクライナでテロ事件が発生

特殊部隊に偽装して突入したCIA工作員の男は

捕らえられて毒を飲まされるが

毒は鎮静剤にすり替えられ

これはテストだったことが明かされる

そして男に

あらためてミッションが課せられる

それは未来から

「時間の逆行」と呼ばれる装置で

やって来る敵と戦い

第三次世界大戦の勃発を防ぐということ

与えられたのは

謎のキーワード

TENET(=テネット)」という言葉だけ

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はっきり言って

屈指の難解さですね、本作は

まあ物語の全容は

ネット上に溢れんばかりの考察がなされているので

解説の方はそちらに譲るとして

何はさておいても特筆すべきは

いまだかつて観たことのない

その特異の映像です

時間の自然な流れ=順行に対して見せる

いわば逆行の動きが

画面の中に唐突にインサートされる

その不自然な動きは

さながらパフォーマンスアートを見せられているよう

まこと奇妙な映像体験です

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通常(=順行)の流れを辿る世界の中から

一部だけ突如

逆行の動きが始まる

ひとつの映像の中に

順行と逆行が併存するという

この異世界

う〜ん

正直

これが観ていてどうにも理解できない

一体全体どういうことなのか

なんとも腑に落ちなくて

つい3回も観てしまいました

よくよく

現代を生きる僕らにとっての

時間に対する厳然たる認識

それはつまるところ

この世の中は

過去現在未来

という順に進むことが

疑いもない事実であるということ

そのことに対する

ある種、絶対的なまでの信頼が

ベースにあるということです

しかしあろうことか

本作では

この前提条件が

いとも平然と

崩れ去る

これによって観ている側は

ある種の混乱をきたすのです

おそらくは

僕自身が映画で提示される

時間に対する別ロジック

うまく咀嚼できないでいる

逆行という不可思議な動きを見せられ

どうにも戸惑いを隠せないでいるのです

とはいえ劇中の

逆行が始まる瞬間のざわついた様子は

これはちょっと未知なる感覚で

その張り詰めた空気感には

観ていてゾクゾクとした興奮を覚えます

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とまあ

本作は

なんだかんだ見どころ満載でして

逆行が始める

驚愕のカーチェイスシーンしかり

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終盤の順行と逆行が入り乱れての

目まぐるしい戦闘シーンには

もう混乱を通り越して

笑うしかなかったですね

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あらためて主演の2

デンゼル・ワシントンの息子、ジョン・デヴィッド・ワシントン()

若き演技派、ロバート・パティンソンは相性抜群でしたね

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というわけで

本作『TENET テネット』は

ノーランの実験精神と

野心的な試みが結実した

稀に見る異色作

是非とも必見です

おまけ

メイキングの模様

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