映画『地上より永遠に』

1953年のアメリカ映画

『地上(ここ)より永遠(とわ)に』

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監督は名匠

フレッド・ジンネマン(1907-1997)

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真珠湾攻撃が迫るハワイを舞台に

アメリカ陸軍組織の腐敗や

そこで出会った男女の

つかの間の愛と苦悩を描いた

言わずと知れた

人間ドラマの力作です

1941

ホノルルの陸軍兵営に配属された

元ボクサーのラッパ手プルーイットは

中隊長の命令に逆らったため

日々嫌がらせを受けるようになる

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曹長ウォーデンは

反抗をやめるよう説得するが

プルーイットは聞き入れようとしない

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そんなある日

プルーイットは

クラブで知りあった女性ロリーンと恋に落ちる

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一方、ウォーデンは

中隊長の妻カレンと不倫関係にあった

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そんな中で

12月7日の朝

日本軍による奇襲が始まり

平穏だった基地は

たちまち最前線の戦場へと変貌する…

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ふぅ

ハワイ真珠湾攻撃前夜

戦時下とはいえ

戦争が始まる雰囲気はまったく感じられず

軍隊の腐敗ぶりは目に余り

人々は

どこか投げやりで

その場限りな心持ちで

気ままに

無為に過ごしています

う〜ん

なんとも言えず

モヤモヤとした空気が漂っていて

観ていて

正直煮え切らない…

って

しかし実際のところ

死はすぐそばにあったりします

真珠湾攻撃が始まり

状況が一変

あたり一帯は恐怖に包まれ

人々は逃げ惑い

穏やかな日常が唐突に断ち切られるのです

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本作のタイトル

“地上より永遠に”は

戦争前夜とその後の

激しい落差

隣り合わせの生と死

地上(=生)から

永遠(=死)へと至る

命のはかなさを示していて

本作は

運命の波に呑み込まれた

人間の

ある種のちっぽけさを

無常感や虚無感をはらみながら

象徴的に描いています

よくよく

第二次世界大戦における

連合国勝利の立役者であったアメリカは

以後、世界の中心に君臨し

共産主義政権と対峙する形で

自国を中心とした

西側の論理を推し進めることになります

そうした意味で

第二次世界大戦は

アメリカにとって

自由と正義、民主主義を守った

自国の正当性と

栄光の軌跡を物語る

恰好のプロパガンダの戦争となったわけです

…が

本作では

戦争を決して称揚したりしません

アメリカの

神話形成へと結びつける

安易ともいえる企図に対し

明確に

“否”

を突きつけます

本編で描かれる

軍隊組織の非人間性…

理不尽な上下関係

暴力による統制

良心を抑圧し個性を封殺する様

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また

曹長ウォーデンとカレンの不倫や

プルーイットとロリーンの関係など

本作で描かれる男女の恋愛は

どこまでも退屈凌ぎ的な

つかの間のもので

果たして

そこに愛があるのか

いささか疑わしかったりします

ドラマのクライマックスとなる

真珠湾攻撃のシーンに至っては

高揚感もへったくれもなく

ラストの

プルーイットの惨めな死まで

ひたすらに

虚しさが全編を覆います

前述の

モヤモヤとした晴れないムードは

たぶんに

この正義の戦争という美名のキナ臭さと

露呈される組織の偽善

そこに生きる人々の

屈折した心情の表れと見てとれましょうか

そして

あらためて

豪華キャスト揃い踏みの面々の中で

とりわけプルーイットを演じた

モンゴメリー・クリフトが出色ですね

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組織の論理よりも

個人の自由や信念を貫く一匹狼ぶりが

モンティ本人の信条

反体制的な孤高のイメージと重なり

際立った存在感を放っています

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他にも

バート・ランカスターに

デボラ・カー

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フランク・シナトラに

アーネスト・ボーグナイン

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などなど

皆、熱量の高い

素晴らしい演技を披露しています

というわけで

『地上より永遠に』

いやあ

ジンネマンのたしかな良心

その上で的確な演出が冴え渡る

真の反戦映画

今観ても決して色褪せない傑作

これは必見です

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