露見する映画

ふと
暴露⁈
カミングアウト⁈
長年築き上げられた神話が崩壊し
真実の姿が
そのリアルな実態が
白日の下に晒される
いやあ
今回はそんな
いわば“露見する映画”を
以下にラインナップ
◎『グッドフェローズ』(1990)
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言わずと知れた
マーティン・スコセッシ監督の代表作の一本
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かつて多くのギャング映画で
魅力的なアウトローとして
なかば美化して描かれてきたマフィアたちの
ありのままの素顔
その実態、実像を
ドキュメンタリー・タッチで克明に描写
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その卑劣で残酷な犯罪組織の内幕を
マフィアたちの生々しい会話や
日常生活を通して
どこまでもリアルに描いていきます
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組織に追い詰められ
結果、検察側の証人となる主人公ヒルを
レイ・リオッタが熱演
貫禄のデ・ニーロと
“狂犬”ジョー・ペシも
恐ろしくリアルでもう最高です
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流麗なカメラワークと
ストーリーテリングが冴え渡る
まさにスコセッシ節炸裂の一本
◎『レスラー』(2008)
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ダーレン・アロノフスキー監督
ミッキー・ローク主演の異色作
かつてはトップだったものの
今は中年にさしかかったプロレスラーが
試合後に心臓発作で倒れ
人生を見つめ直すも
やがて再起をかけて
リングに上がる姿を描いています
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ローク自身の
俳優としての実人生と重ね合わせ
その鍛え上げられた肉体とともに
まことリアルな説得力を
観る者にもたらしています
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さらに注目すべき点として
本作では
ローク演じるランディと対戦相手が控室で
試合運びの段取りや
フィニッシュホールドまでの流れを
打ち合わせるなど
商業面における
プロレスの実態を映し出したり
また肉体を維持するために
筋肉増強剤や鎮痛剤などの薬を
大量に服用するなど
華やかなリング上と対照的な
バックステージにおける
レスラーたちの生々しい素顔が
如実に垣間見れて
時折
ドキュメンタリーを観ているような
錯覚にとらわれます
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いやあ
まさにレスラーの苦悩と悲哀が滲み出た
人間ドラマの傑作です
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◎『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990)
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ケヴィン・コスナー製作・監督・主演
「西部劇」という
かつての黄金ジャンルが
近年、復活を遂げるターニングポイントとなった
記念すべき作品
ケヴィン・コスナーが
ひとり気を吐いて創り上げたこの映画は
しかし西部劇の神話を崩壊させる野心作でもありました
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1860年代の南北戦争時代の
アメリカ西部を舞台に
辺境の基地に赴任した北軍の中尉と
スー族と呼ばれる先住民族との
心の交流を描いた本作は
同時にアメリカ先住民の虐殺や
またバッファローを絶滅寸前に追いやる
野放図の狩猟など
合衆国の領土拡張政策の
欺瞞を暴く結果をもたらします
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つまりはかつて一般的だった
インディアン(ネイティブアメリカン)=悪役
白人=善人
というステレオタイプな構図を逆転させ
ネイティブアメリカン側の視点で
西部開拓を描いたのです
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この画期的と思われる視点は
しかし時代とマッチしたのでしょうね
本作は
年々高まっていった人権や環境問題
多様化が進む現代において
多くの観客の圧倒的な支持を得て
その年のアカデミー作品賞や監督賞を含む
7冠を受賞します
と
ちなみにこの『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に内包された
テーマや視点で描かれた作品は
過去にも度々あります
でも当時はまだ
時代が許さなかったのでしょうね
往々にして
異質な受け止められ方をしたようです
◎『シャイアン』(1964)
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“西部劇の神様”ジョン・フォード監督による
自身最後の西部劇
って
しかし一体どういった心境の変化か
今までの作品群と
真逆の視点で描かれています
横暴な白人によって滅ぼされようとする
先住民シャイアンの悲哀を映し出した異色作です
◎『ソルジャーブルー』(1970)
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ラルフ・ネルソン監督作
西部開拓史の汚点として知られる
1864年に起きた
“サンドクリークの大虐殺”を
真っ向から描いた問題作
クライマックスで
騎兵隊が先住民シャイアンを無差別に殺戮すシーンの
凄惨な描写にひたすら圧倒されます
◎『小さな巨人』(1970)
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アーサー・ぺン監督作
シャイアン族に育てられ
白人社会と先住民族の間を行き来しながら
飄々と生き抜いた
ひとりの白人の男の視点を通して
西部開拓史の実像に迫った傑作です
ダスティン・ホフマンが
“小さな巨人”をユーモアを交えて好演
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というわけで
まだまだありますが
次回
露見する映画の決定版をご紹介します
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