映画『さがす』

今年、2022年公開の映画ですが

すでにAmazonプライムで観ることができました

片山慎三(1981-)監督・脚本の日本映画

『さがす』

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あまり期待せずに観始めたのですが

観ているうちにどんどん引き込まれ

まだまだ荒削りながら

しかしこの映画

う〜ん

面白い

以下、ストーリーを転載

大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓

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「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや

捕まえたら300万もらえるで」

いつもの冗談だと思い、相手にしない楓

しかしその翌朝、智は煙のように姿を消す

ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し

父をさがし始めるが

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警察でも

「大人の失踪は結末が決まっている」

と相手にもされない

それでも必死に手掛かりを求めていくと

日雇い現場に父の名前があることを知る

「お父ちゃん!」

だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった

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失意に打ちひしがれる中

無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓

そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があったー

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ここまではほんの序盤で

ここから映画は

予想を覆す意外な展開へと

怒涛のようになだれ込んでいきます

ふと

観ていて

あれっ

この感じ

そう

韓国映画

それもポン・ジュノの映画だ

って

この片山監督は以前

ポン監督の『母なる証明』(2009)

日本で撮った短編の助監督をしていたそうで

なるほど

至極納得です

本作にも

韓国映画特有の

生々しい質感

得体の知れない空気

リアルで底冷えする肌触りが

全編に宿っていて

同時に

何より感情的で

人間的な血が通っていて

いやあ

最後まで目が離せませんでしたね

韓国ノワールによくあるエログロ描写は

本作でもいかんなく発揮されていますが

そこは日本映画

ある程度の節度は保たれた方でしょうか

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それにしても

舞台となった大阪西成のドヤ街然とした風情

忙しない路地の雑踏の中

男をチャリンコで追いかける少女

この臨場感

疾走感

にじむ生活感

あらためて

父はなぜ消えたのか

映画は

娘、父親、指名手配犯の三者三様の視点で

時系列を変えながら

重層的かつ複眼的に捉え

複雑に絡まった糸を解きほぐすように

その驚愕の真相を明るみにし

ことの顛末を見届けます

テーマはいたってシリアス

安楽死の問題に向き合いながら

現代人が抱える切なくも残酷な現実を

底辺を生きる人々のありのままの姿

克明に描写していきます

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いやはや

どこまでも泥臭く人間味のある

佐藤二朗演じる父親

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伊藤蒼演じる気丈で聡明な娘

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屈折した指名手配の男(=清水尋也)ほか

脇役に至るまで

とにかくキャストが皆素晴らしく

つくづく

日本映画負けてないなぁと実感

でも

実際のところは

韓国映画

特にはポン・シュノ的な

ダークでアブノーマルな世界観を

日本を舞台に

まんま踏襲した感は

どこか否めず

まあ

まだこれからですね

それでもこの監督

作家性も垣間見れて

確かな才能を予感させるなぁ

若き俊英、片山監督の今後に

大いに期待したいところですね

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というわけで

『さがす』

観ていてグイグイと引き込まれること必至

これはまぎれもない傑作です

おまけ

Amazonプライムで

片山監督の旧作を2本観ることができまして

いやあ

長編第1作はとにかく衝撃でした

◎『岬の兄妹』

こちらは短編

切れ味鋭い演出でした

◎『そこにいた男』

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