映画『恐怖の報酬』

1977年製作のアメリカ映画
『恐怖の報酬 オリジナル完全版』(1977)
↓↓↓
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の
『恐怖の報酬』(1953)
…を
『エクソシスト』や『フレンチ・コネクション』の鬼才
ウィリアム・フリードキン(1935-2023)
がリメイク
↓↓↓
…
南米の村ポルヴェニール
↓↓↓
それぞれの事情から
この最果ての地へと流れ着いた4人の男たち
明日への希望も何もない日々を
無為に過ごしていた彼らが
ある日
少しの衝撃でも大爆発を起こす
ニトログリセリンを
2台のトラックで輸送するという仕事を請け負い
そうして男たちは2人1組で危険な旅に出る
↓↓↓
果たして
立ちはだかる数々の困難を前にして
彼らは無事
ニトロを送り届けることができるのか…
↓↓↓
って
何せ運ぶ代物が
少しの振動でも大爆発を起こし
まず即死は免れないという危険物のため
まともな人間は引き受けません
そこで選ばれたのが
この底辺をあえぐ4人の男たち
↓↓↓
彼らはボロトラックにニトロの爆薬を積み
ジャングルを突破しながら
目的地を目指すのですが
↓↓↓
これがまた凄まじい道のりで
ジャングルという理性の及ばない環境の中で
途中、仲間が死に
疑心暗鬼にかられ
次第に追い詰められていく様が
なんとも生々しく映し出されていきます
↓↓↓
ふぅ
つくづく
すごい映画
フリードキン渾身の一作です
クルーゾーのオリジナル版もいいですが
個人的にはこっちの方が断然好きですね
クルーゾー版が
人間心理に主眼が置かれているのに対し
フリードキン版の本作は
人間の力では到底及ばない
圧倒的な大自然や
絶望的な状況
到底逃れることができない運命
…に直面した人間の
脆く惨めな様を
透徹したリアリズムで
描き切っている点が秀逸で
う〜ん
全編にわたって
ギラギラした男たちの狂気
その生々しいまでのリアル感
そして得も言われぬ虚無感が
フィルムに明確に刻印され
さらには
何か得体の知れない不気味な空気が
画面全体を覆っているような
そんな異様な迫力に満ち溢れています
↓↓↓
特筆すべきは
吊り橋を渡るシーン
↓↓↓
腐りかけた吊り橋
下は濁流
豪雨が降りしきり
激しく揺れる中を
少しずつ
少しずつ
トラックが進みます
途中、何度も停まり
板が外れ
車が滑り
それでも
少しずつ
少しずつ
トラックが進みます
荷台にはニトログリセリン
少しの衝撃で爆発します
まさに絶体絶命の状況
↓↓↓
う〜ん
一体どうやって撮ったんでしょうか⁈
この没入感
セリフもほぼなく
雨音やエンジン音
男たちの必死の形相
吊り橋が揺れる様の
息を呑む
圧倒的な緊張感
観ている側も
無言の圧迫を強いられ
ただひたすら
固唾を呑んで見守る他なく
まるでドキュメンタリーを見ているような
錯覚にとらわれます
↓↓↓
またその後の
大木の爆破シーンも圧巻で
まさに本物の迫力でしたね
↓↓↓
と
出演者はロイ・シャイダー以外は
↓↓↓
名が知られていない役者ばかりで
その匿名性から
リアルな空気感が
よりいっそう醸成されます
↓↓↓
と
よくよく
本作はリメイクなのに
なぜオリジナル完全版なのかといいますと
本作は1977年当時
北米での興行的失敗が原因で
製作サイドが監督の意向を無視して
フィルムを大幅にカット
以後、短縮版のみが上映され
作品の正当な評価がなされないまま
お蔵入りとなってしまったからです
こうした結果に不満を抱いていたフリードキン監督は
自ら復元を試み
そうしておよそ40年の時を経て
オリジナル完全版として蘇ったのが
本作というわけです
しっかし
こんなすごい映画が
最近までお蔵入りだったなんて
ちょっと信じられない話で
フリードキンの作品に対する思い入れ
まさに執念が結実しましたね
またタンジェリン・ドリームによる
不穏な電子音楽も
極限状態の緊迫感を助長していて出色です
というわけで
『恐怖の報酬 オリジナル完全版』
いやあ
あらためて
フリードキンの真の力量が示された
恐るべき傑作といえましょう
↓↓↓










この記事へのコメントはありません。