映画『エピデミック〜伝染病』

1987年製作のデンマーク映画

『エピデミック〜伝染病』

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監督はデンマークの鬼才

ラース・フォン・トリアー(1956-)

本作では主演も兼ねています

若い(!)

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数々の問題作で

世間を騒がせてきたトリアー

長編監督2作目となる本作は

う〜ん

これまたヤバい一作です

ある映画監督と脚本家が

伝染病を題材にした新作『エピデミック』の

構想を練り脚本を書き上げていく

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しかしその間

現実の世界でも恐るべき伝染病が蔓延

映画は

彼らが構想する映画のシーン

いわば劇中劇のパートと

実際に

彼らが製作に励む舞台裏のパートを

並行して交互に映し出します

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やがて終盤において

その両者が奇妙に融合し

虚実入り混じった悪夢の世界が

にわかに立ち現われます…

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冒頭から

実験フィルムのような

粗い粒子のモノクロ映像

不穏なノイズで

現実とも虚構ともつかない

一種異様なムードをはらみながら

映画は淡々と進行します

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ちなみに

劇中劇は

未来世界を舞台にした

シュールなSFといった趣きで

伝染病を治療しようとする医師を

トリアー自身が演じています

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とまあ

二つのパートが同時並行して進む本作ですが

粗いモノクロ映像で

何が繰り広げられているのか

いまいち定かでなかったり

冗長で中だるみもある中

映画は

終盤に至って

衝撃の展開へとなだれ込んでいきます

驚愕のラスト15分

監督、脚本家、プロデューサーらが

新作のシナリオについて

意見交換を交わす夕食のシーン

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プロデューサーは

出来上がった12ページの

短い脚本が気に入らない様子

そんな状況下で

監督が食後に呼んだ

催眠術師と被験者による

伝染病を巡るやりとりの

一部始終

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術をかけられた被験者の女性が

幻覚にとらわれ

おもむろに恐怖に慄き

ヒステリーを起こし

泣き叫び続け

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やがて本当に

伝染病の兆候が出て

苦しんだ挙げ句

フォークで喉を刺して自殺

周囲の者たちも兆候があらわれる…

ふぅ

何という結末

最後の最後に

唐突に登場した

催眠術師と被験者に

すべて持っていかれた形で

う〜ん

これが観ていて

マジでヤバい…

迫真性といいますか

まんま実際に起こっているかのよう…

狭い空間内で

ウイルスが

マグマのように噴出する恐怖

虚構が現実を侵食していく様を捉えた

この

ザラついた映像のリアリティ(!)

いやはや

これはちょっとビックリしましたね

よくよく

本作に見る伝染病は

数年前

世界中に蔓延した

コロナを想起させるまでもなく

むしろ本作は

かつて度々ヨーロッパに蔓延し

甚大な被害を及ぼしたとされる

ペストをテーマとした

実験的な作風による

恐るべき寓話ですね

おっと

話は変わりますが

本作には

怪優ウド・キアーも出演していて

独特の怪しいムードを醸しています

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ふぅ

つくづく

昔からトリアーは変わっていないなぁ

観る者を戸惑わせることに執心する

まあ策士ですね

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ちなみに本作は

タイトルが出てから

ずっと左上に

「EPIDEMIC」の赤い文字が刻印されていて

本作が虚構であることを

あらかじめ示しているようで

その実

映し出されるリアルな映像に

観ている側は

度肝抜かれるという

これ監督の

背反的な意図の表れでしょうかね…

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というわけで

『エピデミック〜伝染病』

若きトリアーの

荒削りな野心に満ち溢れた実験作

正直あまりオススメできませんが

個人的にはこういうの大好きです

あらためて必見です

おまけ

ラース・フォン・トリアーの作品について

以前書いた記事です

◎『アンチクライスト』→こちら

◎『ダンサー・イン・ザ・ダーク』→こちら

◎『ハウス・ジャック・ビルト』→こちら

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