映画『スティング』

1973年のアメリカ映画
『スティング』
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監督は名匠
ジョージ・ロイ・ヒル(1921-2002)
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主演は
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード
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『明日に向って撃て!』(1969)に続く
監督&主演2人の黄金トリオによる
言わずと知れた名作です
…
1936年、アメリカ・シカゴ
若い詐欺師ジョニー・フッカーは
仲間とともに通行人を騙して
日銭を稼ぐことを常とする小悪党
しかしそんなある日
いつものように騙した相手が
マフィアの資金の運び屋だったことから
事態は急変
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マフィアのボス、ドイル・ロネガンは激怒し
フッカーの師匠であるルーサーを殺害
復讐を誓ったフッカーは
伝説的な詐欺師として知られる
ヘンリー・ゴンドーフを訪ねる
ゴンドーフは
かつて腕利きの詐欺師だったが
今では第一線を退いている
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しかしフッカーの熱意に動かされ
ロネガンを破滅させるための
大掛かりな詐欺計画を企図する
彼らが仕掛けるのは
偽の賭博場を丸ごと作り上げ
ロネガンに巨額の金を賭けさせる
という大胆な作戦
そのために詐欺師仲間を大勢集め
従業員・客・情報提供者などを演じさせる
つまり一つの架空の世界を作り上げ
標的をそこに引きずり込む計画
しかしロネガンもそう簡単には乗ってこない
フッカーを追う殺し屋
買収された警官
FBIを名乗る人物などが
次々現れては入り乱れ
計画は思いがけない方向へ進む
誰が味方で誰が敵なのか
誰の言葉が真実なのか
情報が錯綜し混沌とした状況の中
あっと驚く
鮮やかな仕掛けが待ち受ける…
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本作の面白さはいろいろあるのですが
何より
映画そのものが
“詐欺”になっている構造にありましょうか
通常、観客は
あらかじめ主人公の計画を知り
それが成功するかどうかを見守るというのが
一般的なパターンなのですが
本作では
主人公たちの計画の全貌が
観客にも明かされず
入り組んだ人物関係もあって
イマイチ理解できなかったりします
つまり観客は詐欺を見物しているつもりが
知らないうちに
映画の巧妙な仕掛けに
自分たちも知らず知らず
巻き込まれているという始末
この構造が
ラストの爽快感につながるんですよね
とまあ
本作は何はともあれ
ニューマンとレッドフォードの魅力と
二人の抜群の相性に
これ尽きますかね
劇中の二人の関係は
単なる相棒というより
師匠と弟子のようでもありますね
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ニューマン演じるゴンドーフは
余裕、知性、ユーモア、貫禄を滲ませ
相手の心理を巧みに読みとり
全体を支配する熟練の詐欺師
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一方の
レッドフォード演じるフッカーは
若さ、野心、情熱、危うさをはらみ
行動力がある一方で
未熟さも残る若き詐欺師
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この対照的なキャラクター設定が
映画に独特のリズムと人間味を与えています
そして
二人に相対する
マフィアのボス、ロネガンを
ロバート・ショーが
ふてぶてしく演じていて出色です
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本作は詐欺における
いわば心理戦が見どころのひとつなのですが
ハメる相手の強面のロネガンが
意外に単純なキャラ設定というのも面白いですね
とりわけ中盤の列車内での
ポーカーのシーンは圧巻です
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手下たちに監視されている中
酒に酔ったふりをして
相手を挑発するゴンドーフと
ついつい感情を露わにし
判断を狂わせていくロネガンの
この柔と剛の対決の面白さ
ゴンドーフの詐欺の術中に
ロネガンがまんまとハマる
この最初の対決が
もう最高で
掴みOKすね
ポール・ニューマンの名演が光ります
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このやりとりがフックとなって
ラストの大博打へとつながっていきます
ロネガンの
強情でプライドが高く負けず嫌いな性格は
観ていて一目瞭然で
怖い存在だが
ホントわかりやすい
なんだかちょっと憎めない
そんないかにも悪役然としたキャラが
ラストのどんでん返しの
立役者となる(!)
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この予定調和が観ていて小気味よく
それでも
何度観ても
やはり
あっと驚くんですから
いやはや
つくづく
このストーリーテリングの妙
よく出来ていますね
と
本作の舞台は
世界恐慌の影響が色濃い
1930年代のアメリカで
この時代を再現した美術とファッションも
本作の見どころです
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男たちのスーツ、帽子、ネクタイ
クラシックカーや
バー、賭博場など
古き良きアメリカの雰囲気が
ノスタルジックに再現されています
どこか退廃的でありながらも
優雅な都市文化が
神話性を伴って構築されていて
いやあ
なんとも魅力的な世界観です
って
何より
映画を象徴するのが
スコット・ジョプリン作曲の
「ジ・エンターテイナー」です
19世紀末から20世紀初頭にかけて
アメリカで流行したピアノ音楽のジャンルで
のちのジャズの源流となった
ラグタイム音楽の
この軽快で陽気なピアノの旋律が
詐欺師たちの駆け引きを
ユーモラスに演出します
と
ラスト
大人たちが仕掛けた
命懸けの壮大な遊びが終わり
皆、役割を終え
あと片付けをする
達成感
充実感
得も言われぬ満足感に浸りつつ
あ〜あ
終わっちゃった…的な
淡々と
どこか
物悲しさが残る
この余韻…
穏やかなメロディが
男たちの心情を
さりげなく奏でていて
ふぅ
いいですね
つくづく
本作は
撮影、脚本、演技、衣装、美術、音楽、編集などなど
そのどれもが
洗練された娯楽としての
ひとつの完璧な世界観の構築に寄与している
いやあ
これはなかなか稀な例で
まあ
傑作の所以ですね
あらためて
ロイ・ヒルの卓越した手腕が光ります
というわけで
『スティング』
いやあ
もう素晴らしいの一語
今更ながら
映画史に燦然と輝く名作ですね
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