映画『砂漠の流れ者』

古き良き西部開拓時代への愛惜の念

ほのぼのとセンチなまでに

心温まる西部劇

う〜ん

果たしてこれがあの

『ワイルドバンチ』や『ガルシアの首』など

と同じ監督の作品なのか

バイオレンスの巨匠と謳われた

サム・ペキンパー(1925-1984)

↓↓↓

blog_import_6442e330e54dd.jpg

1970年に撮った佳作

『砂漠の流れ者』

原題は『ケーブル・ホーグのバラード』

↓↓↓

blog_import_6442e32fa09f0.jpg

仲間に裏切られ

砂漠のど真ん中で一人取り残され

数日間飲まず食わずでさすらった末に

ようやく水を掘り当てたケーブル

やがてそこに駅馬車の給水所を作り

砂漠での生活を始めるのだが

描かれている時代背景は

西部開拓時代の終焉の始まり

移動手段が

馬車から自動車に変わろうとする

まさに転換期

しかし

男は変わることができない

新天地へ思いを馳せても

結局は

荒れ果てた砂漠の地にとどまり続け

時代に取り残された男の

滑稽で切なく

しかし人間味に溢れた生き様

↓↓↓

blog_import_6442e33256712.jpg

主人公を演じたジェイソン・ロバーツが

狡猾だがお人好しな

人間臭いキャラクターを好演

↓↓↓

blog_import_6442e333b4b56.jpg

つくづく

ペキンパーのフィルムって

ちょっと独特で異質なんですよね

乾いた風情とでもいいましょうか

その映し出される映像には

しばしドキュメンタリーを観ているような臨場感

リアルな空気感が醸成される一方で

出てくる人物たちは

皆とっても情感豊かで生き生きとしている

つまり

役者たちは演技を離れて

まさしく映画の中を

実際に生きているかのよう

う~ん

むしろそれを演技と呼ぶのかもしれませんが

即興も含めて

役者たちは

自身のパーソナリティ

素養を晒け出し

いつまでも収束する気配を見せなかったりします

そして

カメラは延々その生の姿を刻印し続けます

↓↓↓

blog_import_6442e3353dc21.jpg

どこまでも自然でリアルな情景と

役者たちの佇まい

まあニューシネマの時代のフィルムは

往々にしてそんな雰囲気を宿していますがね

いやあ

いずれにせよ

得意のスローモーションによる

バイオレンス描写は言うに及ばず

ペキンパーの映画に漂う

ある種

時間の感覚を忘れさせるような

無心で

純度の高い

そんな世界観が

僕は好きですね

そして

これまたペキンパーの映画に底流するテーマ

シンボリックなまでの

敗者の美学

滅びゆく者へのロマンです

って

う〜ん

ついつい

自分の今置かれている環境と

重ね合わせてしまう今日この頃でして

翻って

わが遊技業界の行く末やいかに

斜陽産業

衰退への道

滅びゆく末路

なんとかかんとか

踏ん張って押し戻したい

でも時代の流れには逆らえず

いやいや

なんのなんの

わが遊技業界は

これからまさに馬車から自動車への転換期を迎えるのだ、と

さあその上で

果たして自社は

そこに乗れるのか乗れないのか

おっと

話がすっかり飛んでしまいましたね

失敬失敬

というわけで

『砂漠の流れ者』

ペキンパーらしからぬコミカルな演出も散見される

まことレアな異色作

あらためて必見です

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。