映画『クロッシング・ガード』

1995年製作のアメリカ映画
『クロッシング・ガード』
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監督・脚本、そして製作をこなすのは
3度のアカデミー賞に輝く
現代最高の名優
ショーン・ペン(1960-)
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昨年の
『ワン・バトル・アフター・アナザー』の怪演が
記憶に新しいところですが
彼は俳優業の傍ら
映画監督としても
たしかな才能を発揮し
いくつかの秀作を発表しています
ということで
ペンの監督第二作目となる本作は
ジャック・ニコルソンを主演に迎えた
濃密な人間ドラマの力作です
…
娘を交通事故で亡くし
以来、悲しみと憎しみをたたえ
自暴自棄な生活を送るフレディ
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やがて加害者のジョンが
6年の刑期を終えて出所
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そうして
復讐することに取り憑かれたフレディと
罪の意識に苛まれ
すべてを受け入れる覚悟のジョンが
静かに対峙する…
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ふぅ
被害者の父親と
加害者の男
相対する関係の2人ですが
しかし双方が
共通の苦しみを抱え
自分の人生を取り戻せず
深い悲しみと悔恨、喪失感に囚われ続けています
つくづく
復讐を果たすまでは
人生を再出発できない
そんなバイアスに頑なに縛られ
終始、抑制を保ち
陰にこもった表情のニコルソンが
時折暴発したように見せる
剥き出しの感情
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いやあ
70年代ニューシネマで気を吐いた頃の
野獣のようなメソッド演技を
思わず彷彿させて
ちょっと観ていて嬉しくなりますね
関係が悪化した状態の元妻に
亡き娘を失った恐怖と悲しみを
電話越しに吐露するシーン
泣きすさぶニコルソンの
悲痛の表情が胸を打ちます
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その後
ニコルソンと長年大人の関係にあった
元妻演じるアンジェリカ・ヒューストンとの
ダイナーでの対面シーン
感情の交感
慰め合い
過去を思い
絆と愛情を取り戻したかに思えた
その刹那
すぐさま一転して
不穏な諍いへと至ってしまう
この緊迫したやりとり
う〜ん
2人のリアルで生々しいセッション
さすが抜群の相性ですね
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と
自己破壊を繰り返すフレディが
夜のクラブに度々出入りし
ストリッパーと一夜限りのベッドを共にしたりするのですが
なんといいますか
この主人公の荒んだ内面を表現する
感傷的なムードが
どこかカサヴェテスを彷彿させるんですよね
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本作は
ニコルソンと
元妻役のアンジェリカ・ヒューストン
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加害者のジョン役に
ペンお気に入りのデビッド・モース
好演です
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ほかにペンの当時の妻
ロビン・ライトなど
勝手知ったるファミリーたちで
密度の高い現場を創っている
本作には
そんな信頼関係のもとで
醸成された空気感が
フィルムの端々に刻印されているようです
そして終盤の
夜の追跡劇
フレディとジョン
追う者と追われる者
ジャズのセッションのような
2人の火花散らす攻防
そうして辿り着いた先は
亡くなった娘エミリーが眠る墓地
復讐の行方は
墓石を前にして
最終的に
互いに悲しみと苦悩を共有し合い
和解という形で帰結します
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閉ざされていた心の鎧が解かれ
泣き崩れるフレディと
悲しみをたたえるジョン
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やがて
夜が明けて
映画は終わりを告げます
ふぅ
つくづく
中年男に滲む苦悩
必死の形相
強く荒々しい一方で
弱さと憐れみを垣間見せる
ニコルソンに宿る
男のダンディズム
う〜ん
これは名演ですね
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というわけで
『クロッシング・ガード』
監督ペンのたしかな演出が光る力作
被害者と加害者の魂の葛藤を映し出した
ノワールな人間ドラマの秀作
あらためて必見です
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