映画『デューン 砂の惑星PART2』

2024年のアメリカ映画

『デューン 砂の惑星 PART2

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監督は

現代最高のクリエイターのひとり

カナダのドゥニ・ヴィルヌーヴ(1967-)

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フランク・ハーバートの

伝説的SF小説を映画化した

前作『DUNE デューン 砂の惑星』に続く

本作は

待望の続編に当たります

PART1について

僕が以前書いた記事はこちら

先月

家族が実家に帰省している隙に

ニ夜立て続けに

お忍びのように映画館へ出かけて

一夜目は『オッペンハイマー』をIMAX

そして二夜目に

本作をドルビーシネマで鑑賞

って

いやあ

このドルビーの

クリアで臨場感溢れる映像と

轟くような立体音響の

見事な相乗効果

特に後述するサンドワームのシーンは

もう圧巻の一語でした

ふと

IMAXとの何か明確な違いを

僕は見出すことができませんでしたが

どっちもすごい迫力()

まあ

いずれにせよ

そんな最高の環境の中

夜、観客のほとんどいない劇場で

ひとり映画を堪能した次第です

それにしても

前作に引き続き

もうため息が出るほど美しい

この圧倒的に雄大な

砂の世界です

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ときは紀元102世紀末

アトレイデス家は陰謀に巻き込まれ

ハルコンネン家によって滅ぼされ

唯一、後継者のポールと母レディ・ジェシカが命からがら生きのびる

二人はデューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスで

原住民のフレメンたちと関係を築いていき

やがてポールは救世主として民を率いるリーダーへと成長し

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そうして宿敵ハルコンネン家との宇宙戦争に総力を上げて臨んでいく

PART1ではまだピュアで

あどけない青年だったポールが

PART2に及んでは

武勲を挙げ

フレメンの信頼を獲得していき

やがて救世主として

したたかな一面を身にまとう

たくましい戦士へと変貌を遂げていきます

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そんなポールですが

しかしどこか女たちの手のひらで

泳がされているような

そんな繊細な一面が垣間見えます

演じるティモシー・シャラメの

絶妙なバランス感です

つくづく

本作に底流するのは

目に見えない大きな力が支配する

宗教的、呪術的要素の色濃い世界観で

予言や特殊能力など

多分にスピリチュアルな力が

この壮大な物語を牽引する

いわばキーポイントとなっています

そしてその中核を占めるのが

往々にして女たちです

ポールも幻視能力があり

不吉な未来を予見し苦悩するのですが

そんなポールの心の内を絡めとるように

女たちが周囲を固め

各々が独特の存在感を放っています

特殊な能力を保有する

謎の女性集団ベネ・ゲセリットの教母となり

政治的宗教的な影響力を保有するに至る

母レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)

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ポールと恋愛関係になるも

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しかし一方で

彼のカリスマ化に懐疑の念を覚える

フレメンの戦士チャニ(ゼンデイヤ)

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皇帝の娘で

刻々と変容する情勢を見据え

毅然とした振る舞いに徹する

聡明な皇女イルーラン(フローレンス・ピュー)

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不吉な光を放つラスボス的な存在

ベネ・ゲセリットの教母

ガイウス・ヘレン・モヒアム(シャーロット・ランプリング)

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ベネ・ゲセリットのひとり

レディ・フェンリング(レア・セドゥ)

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何より

本作において

最もエキサイティングだったのは

前作にも登場した

惑星アラキスに生息する巨大生物

砂蟲(=サンドワーム)を操るシーンでしょうか

ポールは

フレメンたちから

戦士として認められるための最後の儀式として

この恐るべき生物を

文字通り操縦する試練を課されます

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ふと

波打つ砂漠は

これまんま海のようで

式にすると

「海:波=砂漠:X」

この場合のXが

まさにサンドワームとなります

そしてポールは

まるで波を待ち受けるように

砂漠と対峙します

怪物を呼び起こす装置”タンパー“の

一定のリズムで調律された機械音に乗って

次第に砂が揺れ

地響きのような轟音を立てて

やがて

“ビッグウェンズデー”の大波ならぬ

巨大なサンドワームが現出

この神々しいまでの威容

「今度のはデカいぞ」

「こんなデカいのはちょっと見たことがない」

などと叫ぶフレメンたちの声を尻目に

ポールは波に乗るようにして

サンドワームの背中に勇壮に飛び乗り

砂漠を突き進むことに成功します

まあサーフィンというより

水上スキーのような形ですね

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う〜ん

強烈無比の爆音

砂嵐の中を疾走するスピード感

まさに本編最高の

スリルと臨場感を体感できます

しっかし

このサンドワーム

すべてを破壊してしまう戦慄の物体ですね

凄まじい迫力です

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あらためて

ディテールのリアルで精緻な作り込み

類稀なるスケール感を持ってして

もはやリンチ版とはこれ比較しようもなく

強いて言うなら

終盤のフェイド=ラウサとの

一騎打ちのシーンくらいでしょうか

リンチ版では

スティングがエキセントリックに演じていましたが

本作のオースティン・バトラーは

狂気をはらんだ不気味な相貌で

彼は出色でしたね

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とまあ

映画は

戦争に勝利し

ポールが人々から

絶大な支持を勝ち得たところで

終わりを告げるのですが

スッキリ爽快な戦勝ムードの中での終幕

では決してありません

どこか違和感を拭えず

不穏な空気を漂わせたままです

つくづく

物語は

収束の気配を見せるどころか

底知れぬ砂の中へとズンズン入り込む一方で

そう易々と這い上がってこれません

なんとまあ

膨大な情報量でしょうかね

とても書き足りませんね

でもこの上なく

魅惑的で壮大な世界観です

というわけで

ヴィルヌーヴによって創造されたSF巨編

『デューン』

いやあ

PART1以上に

このPART2が傑作ですね

前作を大きく深化させ

新たな展開を見せてくれた本作から

ますます目が離せず

さあ

次作へと続いていきます

ああ

待ち遠しい限りです

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