映画『コラテラル』

2004年製作のアメリカ映画

『コラテラル』

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監督は名匠

マイケル・マン(1943-)

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僕が取り上げるにはちょっと珍しい

純正の娯楽作ながら

とてもよくできた映画です

トム・クルーズが

冷酷な殺し屋を演じて話題となった

クライム・サスペンスです

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共演の

タクシー運転手役に

ジェイミー・フォックス

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本作の後に出演した

Ray/レイ」(2004)で

アカデミー主演男優賞を受賞した実力派です

とまあ

監督のマイケル・マンは

『ヒート』(1995)に代表されるように

二人の男を対象的に描く演出を得意としていて

本作においても

まさにその真価が発揮されていますね

ロサンゼルスのタクシー運転手マックス

ある晩、ひとりの客を乗せる

しかしその男ヴィンセントは

夜明けまでに5人の殺しを請け負うプロの殺し屋だった

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期せずしてマックスは

彼の任務に同行することを余儀なくされ

そして…

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殺し屋を乗せてしまったあまり

思わぬ「巻き添え」(=コラテラル)に遭った

タクシー運転手が過ごす

悪夢のような一夜

しかし事態は思わぬ展開を見せ

やがて二人は相対することになる…

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ロスの夜の街並み

光と影に包まれた煌びやかな夜景

市内のど真ん中を縦断する高速道路

そこを一台のタクシーが疾走する

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トム・クルーズ演じる

白人の殺し屋

ジェイミー・フォックス演じる

黒人のタクシー運転手

との

一夜の邂逅と

運命的な対決

さながら

ブラジルのローシャの

『黒い神と白い悪魔』(1964)ではないですが

物語の進行にともなって

男たちの対決の構図が

次第に形作られていきます

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つくづく

殺し屋とタクシードライバーという

かなりベタなシチュエーションながら

しかしマン監督の

奇をてらわない堂々たる演出が

自ずと安定感とリアル感を生み

特には

轟音のように響く銃の音など

どこまでも本物を追求し

こだわり抜いたであろう

ディテールの描写が

画面にただならぬ緊張感と

観る者に確かな説得力をもたらします

ふと

壮絶なカーチェイスの後に

コヨーテが道路を横切るシーンが

ちょっと印象的ですね

それにしても

本作のトム・クルーズは

シルバーグレーのヘアーに

無精髭

グレーのスーツという

モノトーンの出立ちで

凄みがありましたね

リアルな身のこなしが怖いです

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ジェイミー・フォックスも

トムに負けず劣らずの存在感を発揮

車内で交わされる

ヴィンセントとの会話ややりとりを通して

次第に覚醒されていく感が面白いですね

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またワンポイントの出演の

ハビエル・バルデムが

底の知れない男を演じていて出色です

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そして

地下鉄の中の緊迫と

余韻の残る

秀逸なラスト

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日が昇るまでの

鮮烈なロスの一夜…

う〜ん

シビれます

なんて

カッコいい映画でしょうか

というわけで

『コラテラル』

名匠マイケル・マンの

美学と映像スタイルが見事に結実した

本作はまぎれもない傑作

是非オススメです

おまけ

マンの『ヒート』について

以前書いた記事は→こちら

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