映画『ブゴニア』

ただ今絶賛上映中です

2025年製作

アイルランド・イギリス・カナダ・韓国・アメリカ合作の

『ブゴニア』

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監督は

世界の映画シーンをリードする

ギリシャ出身の鬼才

ヨルゴス・ランティモス(1972-)

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僕はまだ観ていませんが

本作は

2003年の韓国映画

『地球を守れ!』が元ネタだそうです

また本作には

アメリカの若き鬼才

アリ・アスター(1986-)が

製作に名を連ねていまして

ブラックな化学反応が起きましたね

う〜ん

しっかし

クセになるなぁ

この面白さ…

陰謀論に取り憑かれたテディとドンの2人組は

大手製薬会社のCEOとして知られる

カリスマ経営者ミシェルの誘拐を企図

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計画を敢行し

連れ去ることに成功

自宅の地下室に監禁する

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2人はミシェルが

地球侵略を目論む宇宙人だと断定し

髪の毛は宇宙船のGPSだという理由で

頭を剃り上げ

あの手この手で彼女の正体を暴こうとする

そしてミシェルに対し

「地球から手を引け」

と要求する

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そんな彼らの荒唐無稽な言い分を

一蹴するミシェルだが

その後、話は二転三転

この正気の沙汰と思えない誘拐劇は

意外な方向へと進展し

やがて衝撃の結末へと

なだれ込んでいく…

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ふぅ

なんとまあ

驚くべき展開

ちなみに

タイトルの「ブゴニア」とは

「牛の死骸からハチが生まれる」

という古代ギリシャの民間信仰に由来し

「死からの再生」などの意味を持つとあります

本作においては

宇宙人が地球を侵略し

人類を滅亡し

「腐敗した人類文明(牛)から新たな生態系(ハチ)が生まれる」

という

いわば陰謀論の筋立てをなぞった

象徴的なタイトルとなりましょうか

誘拐犯のテディは養蜂家で

蜂を神聖視することによる

彼の倒錯した思想が

冒頭で仄めかされます

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「お前は宇宙人だ

助かりたければ地球から撤退せよ」

と無茶苦茶な理屈を言い張る

テディを主犯とする2人組と

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知恵で彼らを言いくるめ

窮地を脱しようと画策するミシェルとの

スリリングなやりとり

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ふと

坊主頭のミシェルの

どこか達観した風情

何日間も

飲まず食わず排泄もせず

拷問にも耐え

それでも

毅然とした姿勢を崩さない様子に

観ていて

どこか違和感を覚えつつ

しかし

突拍子もない陰謀論を振りかざす

2人組のアブノーマルな空気に呑まれて…

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ハハハ

まんまとハメられましたね

って

詳細は省きます…

本作を観ていて

つくづく思うのですが

この世の中

マニアックな陰謀論者とまでは

言わないまでも

人は誰もが

なんらか

フィルターをかけて

世界を見がち…

なんらか

自分なりの原則やルール

さらにいえば

目に見えない制約や偏見、先入観に縛られて

物事を捉えがち…

ではないでしょうか

さらには

人は誰もが

深層のところで

この世界を

科学だけで割り切れると思っておらず

どこか

オカルト的な迷信

根拠のない思い込みを

頑なに信じて生きています

あるいは

これは何も

ネガティブな話ばかりではなく

たとえば

ある視点を与えられると

現実が変わる

見える景色が変わる

たとえば

ポジティブに捉えるという視点を得ると

どんなに辛いことがあったとしても

それは成長への機会だとか

明けない夜はないだとか

次なる飛躍への試練だとか

そういった

前向きな解釈を促すべく

脳が転換する

マインドコントロールですね

よくよく

これって

どこか上記の陰謀論と

本質的なところで

大差ないのかなと思ったりします

とまあ

それはそうと

本作に蔓延する

強烈な毒気

シュールなブラックユーモア

歪で異様な世界観…

観ていて

つい

本作で展開される寓話は

何のメタファーだろうかと

あれこれ考えを巡らすのですが

当てはまるようで

ピタリと当てはまらなかったりで

いやむしろ

何にでも当てはまりそうで…

たとえば

本作は

陰謀論だとか

格差社会だとか

環境破壊だとか

そうした背景の中で

自国ファーストを標榜する

独善的なリーダーが誕生するに至る

世界の現実を暗に表しているだとか

いろんな捉え方ができそうなのですが

う〜ん

なんといいますか

そうした視点は安易で限定的で

なんだか野暮な見方のように感じます

それは何ものにもとらわれない

奇抜で自由な作品のムードを

ある意味、損なうことにつながるのかな…

ランティモスの一連の作品に

共通するテーマのひとつとして挙げられるのが

ズバリ

「目に見えないバイアス

いわば暗黙のルールに縛られた

一種異様な世界の現出」

これはまさに

『ブゴニア』の

終始一貫したテーマでもあります

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本作には

現代社会を象徴していると思わせる

独特な含みがあるのですが

って

よくよく

実際のところ

そんなものはなくて

どこまでも

それ

そのものである(!)

という実存的な

ある種の潔さ

シンプルさに貫かれていたりします

なので

作品世界のテーマは上述した通りですが

観る側は

なるたけバイアスをかけず

先入観を取っ払って

下手な深読みなどせず

あくまでフラットな目で

鑑賞することがオススメかなと思います

ふぅ

それはそうと

月食の妖しい光に導かれ…

終盤の怒涛の展開

どこまでも主観的な世界を

暴走していく人物たち

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観る者の予想を覆す驚きの結末には

いやはや

もはや笑うしかありませんでしたね

とまあ

あらためて

坊主頭のエマ・ストーン(!)

この人はいよいよ

すごい女優になってきましたね

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そしてテディ役の

ジェシー・プレモンス

ここ近年、頭角を現してきていますね

終始シリアスな表情に徹した怪演が光ります

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相棒ドン役の

新人エイダン・デルビスも

むっつりとして不気味な存在感が出色です

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いやあ

もう片時も目が離せません

なんとまあ

不穏で奇怪で

魅惑に包まれた映画でしょうか

今一度

ランティモス恐るべし

というわけで

『ブゴニア』

当分悪夢から覚めそうにありませんね

つくづくすごい映画

これは必見です

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おまけ

ランティモスの作品について

以前書いた記事です

『聖なる鹿殺し』→こちら

『哀れなるものたち』→こちら

『憐れみの3章』→こちら

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